エアコンを取り付けたいけれど室外機を設置できない…、工事はしたくないし…、といった悩みを解消してくれる窓用エアコン。冷房以外に暖房機能も持ち、暑い時期だけでなく寒い時期にも使える製品があるのをご存じですか?
今回はそんな窓用エアコン(別名:ウインドエアコン)のメリット・デメリット、選び方やおすすめの製品、電気代目安をあわせて解説します。
また、最後には小さな窓幅にも設置できる、おすすめのスポットクーラーも紹介!ぜひ読んでみてください。
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窓用エアコンのメリット・デメリット
まずは、一般的な室外機がある壁掛けエアコンと比べた時の、窓用エアコンのメリット・デメリットを説明します。どちらか迷っている方はこちらからチェックしましょう。
メリット
窓用エアコンを導入する一番のメリットは、その敷居の低さでしょう。集合住宅の規約で室外機を設置できなくても、窓用エアコンなら室外機を置くことなく設置でき、窓枠のサイズさえ合えば自分で取り付けできるため工事も必要ありません。
価格の低さも大きなメリット。壁掛けタイプのエアコンは高級モデルとなると10万円をゆうにオーバーしますが、こちらはそこまで財布に響かない額に抑えられています。
デメリット
はっきり言うとデメリットというよりも特徴ですが、窓用エアコンは10畳を超えるような広い部屋には対応していません。パワフルさを求めるとどうしても重く大型になり、窓枠では支えきれなくなってしまいます。最高でも8畳ほどの部屋での利用が限度です。
また、窓用エアコンはいわゆる室外機を内蔵したエアコンなので、壁掛けエアコンに比べ騒音も大きく、特にコンプレッサー作動時と停止時に大きな音がします。慣れてしまえばいいのですが、就寝時には障害となるでしょう。
他に、窓用エアコンは本体後部から排水します。集合住宅で窓用エアコンを使っている場合、排水も近隣トラブルになりかねません。これを解決するには室内排水に対応するものや、「ノンドレン」表記のあるものがおすすめです。
窓用エアコンの選び方
ここからは、窓用エアコンの選び方で重要なポイントを解説します。どんな製品を選べば良いか迷ってしまう方、わからない方は要チェック!
部屋の広さに合わせる
窓用エアコンは出力によって、部屋の広さに合わせた適正畳数があります。
この「適正畳数」、使う建物が「木造」か「鉄筋コンクリート」かで違い、木造は気密性が低いため適用畳数が小さく、逆に鉄筋コンクリートは気密性が高いので適用畳数が大きくなります。
例えば、「4~6畳用」と表示されていた場合、木造は4畳部屋まで、鉄筋コンクリートは6畳部屋まで適正があるということ。基本的なことですがしっかりと確認しましょう。
風向きが変えられないものが多い窓用エアコン。扇風機やサーキュレーターを併用すると、より効率よく部屋全体を涼しくできます。首振りがない安価なものでも十分役立つので、同時導入もおすすめです。
窓枠に収まるものを
工事は不要ですが、窓の開き幅や高さによっては窓用エアコンを取り付けることができないものも。高さについてはある程度までは高くても、別売りのパーツで余剰スペースを埋め設置できるのですが、開き幅が狭いと設置自体できません。
また、サッシの立ち上がりの有無や大きさも設置に影響します。絶対に購入前確認は怠らないようにしましょう。
機種ごとにこの数値は違うので、おすすめ製品のコーナーでは、製品ごとに取り付け方や寸法が確認できるページへリンクを貼っています。よかったら確認してください。
お手入れをどの程度できるか
日常的にお手入れができるかどうかも気になるポイント。エアコンの清掃業者でも窓用エアコンを清掃できるところはそう多くありません。フィルターの清掃はもちろん、内部乾燥でカビ防止ができると清潔に保ちやすくなります。
消費電力もチェック
製品価格だけでなく、ランニングコストとなる消費電力も気になる所でしょう。窓用エアコンは消費電力の他に、期間消費電力という名目で、1年間に消費する電力の目安が発表されています。
この期間消費電力とは、冷房は27℃、暖房は20℃設定にし、決められた期間の日数を一日18時間稼働した場合の数値。他にも部屋の広さなど細かい設定はありますが、目安とするには十分です。
今回紹介する製品はこの期間消費電力を用い、後ほど電気代目安を説明します。ランニングコストがどれだけになるのかの一助になるので、ぜひ参考にしてください。
排水の有無
運転中に排水が行われるかどうかは、「ノンドレン」という表記があるかで判別できます。
このノンドレンとは、除湿した水を本体内部で蒸発させ外に放出し、排水があまり出ないようにした仕組みのこと。湿度や気温があまりに高いと、どうしても排水は出てしまいますが、表示がないものに比べればはるかに少なく済みます。
私有地ならともかく、水とはいえ集合住宅の共有部に垂れ流すとトラブルの元に…。気になる方はチェックしましょう。
運転音
運転音も考慮すべきポイント。あまりに大きい運転音だと日常生活に支障をきたします。また、室内だけではなく窓の外はさらに大きい運転音となり(室内+10dBほど)、集合住宅ではトラブルのもとになりかねません。
ちなみに、50dBは壁掛けエアコンの一般的な室外機レベルで、60dBは掃除機から1m地点の騒音クラスです。周囲の環境と合わせて検討しましょう。
その他
基本的に窓用エアコンは冷房機能のみを持つものが多いのですが、暖房機能があるものも。寒い時期も使いたい方は確認するといいでしょう。
他に、窓用エアコンは窓を開放して使用する都合上、防犯性が低くなってしまいます。ほとんどの製品でロックは付属しますが、あくまでも簡易的なものです。格子やサッシ用ロックを併用するなど、備えはしっかりと!
以下はおすすめのサッシ用ロックです。
窓用エアコンのおすすめ【6選】
ここからは窓用エアコンのおすすめ製品を紹介します。ちなみに、すべてリコモン付きです。
コロナ(Corona) 窓用エアコン CW-1620
適正畳数(50/60Hz) | 4~6/4.5~7畳 |
冷房出力(50/60Hz) | 1.4/1.6kW |
本体サイズ | 幅335×奥行240×高さ750mm |
重量 | 21kg |
消費電力(50/60Hz) | 545/625W |
期間消費電力(50/60Hz) | 364/416kW |
運転音(50/60Hz) | 51/53dB |
備考 | ノンドレン、内部乾燥モード有り |
スタンダードなベストセラーモデル
適切な部屋サイズならこれで!と言えるような、コンパクト幅でバランスのよいスタンダードな窓用エアコン。大きな部屋向きではありませんが、ノンドレンで消費電力が低く、運転音もそこそこに抑えています。
取り付け方も丁寧に公式ホームページで解説されているので、設置に不安が残る方はぜひ覗いてください。
コイズミ(Koizumi) 窓用エアコン KAW-1602/W
適正畳数(50/60Hz) | 4~6/4.5~7畳 |
冷房出力(50/60Hz) | 1.4/1.6kW |
本体サイズ | 幅360×奥行230×高さ750mm |
重量 | 約22kg |
消費電力(50/60Hz) | 580/660W |
期間消費電力(50/60Hz) | 415/472kW |
運転音(50/60Hz) | 54/55dB |
備考 | ノンドレン |
体を冷やしすぎない快眠タイマー搭載
フィルター以外に吸気口のある前面パネルも外して丸洗いできる、外も中も清潔に保ちやすい控えめ価格の製品。エアコンが苦手な方にもおすすめの「快眠タイマー」を搭載します。
この機能は、設定温度から2.5℃上がると自動で設定温度まで下げる運転を繰り返し、7時間後に停止するというもの。です。体を冷やしすぎるからとエアコンを避けていた方も試してみては?
コイズミ(Koizumi) 窓用エアコン 洗える熱交換器 KAW-1901/W
適正畳数(50/60Hz) | 4.5~7/5~8畳 |
冷房出力(50/60Hz) | 1.6/1.9kW |
本体サイズ | 幅360×奥行230×高さ750mm |
重量 | 約22kg |
消費電力(50/60Hz) | 660/735W |
期間消費電力(50/60Hz) | 472/576kW |
運転音(50/60Hz) | 54/55dB |
備考 | ノンドレン |
市販の洗浄スプレーが使える
上で紹介したKAW-1602/Wより少しパワフルで、2つの機能がプラスされた窓用エアコン。一つは、マイナスイオンを放出する機能で、もう一つは市販のエアコン洗浄スプレーを使って熱交換器を洗える機能です。
スプレーによっては防カビ機能などもあり、より清潔に保てるので、汚れが気になる方におすすめ。
トヨトミ(TOYOTOMI) 窓用ルームエアコン TIW-A180K
適正畳数(50/60Hz) | 4.5~7/5~8畳 |
冷房出力(50/60Hz) | 1.6/1.8kW |
本体サイズ | 幅361×奥行275×高さ742mm |
重量 | 約23kg |
消費電力(50/60Hz) | 575/674W |
期間消費電力(50/60Hz) | 391/434kW |
運転音(50/60Hz) | 44/46dB |
備考 | ノンドレン、内部乾燥モード有り |
センターファン搭載の静音タイプ
吹き出し口を中央に配置した、珍しいタイプの窓用エアコン。中央の吹き出し口によって風をバランスよく広げられ、窓の左側・右側どちらに設置してもカーテンの邪魔になりにくくなっています。
消費電力と静音性の高さもポイント。窓用エアコンの中ではパワフルな部類に位置付けられますが、運転音を抑える構造で、気になる運転停止時の音の低減も実現しています。窓用エアコンで電気代と静かさを優先したい方におすすめです。
ハイアール(Haier) 窓用エアコン JA-18U
適正畳数(50/60Hz) | 4.5~7/5~8畳 |
冷房出力(50/60Hz) | 1.63/1.9kW |
本体サイズ | 幅335×奥行256×高さ770mm |
重量 | 23kg |
消費電力(50/60Hz) | 610/710W |
期間消費電力(50/60Hz) | 416/468kW |
運転音(50/60Hz) | 55~57dB |
備考 | ノンドレン |
パワフルで低価格
冷房出力が高くパワフルなモデルながら、かなり価格が抑えられたモデル。おやすみタイマーも搭載し、一時間後に設定温度+1℃、二時間後には設定温度+2℃、以降はその繰り返しで、8時間後に自動停止します。
また、フロントパネルを外し洗える構造に加え、マイナスイオン発生機能も所持。価格を抑えてハイパワーな窓用エアコンを探している方におすすめです。
コロナ(Corona) 窓用エアコン 冷暖房兼用 CWH-A1820-WS
適正畳数(50/60Hz)冷房・暖房 | 4.5~7/5~8畳・4~5/5~6畳 |
冷房・暖房出力(50/60Hz) | 1.6/1.8kW・1.8/2.2kW |
本体サイズ | 幅360×奥行222×高さ780mm |
重量 | 24kg |
消費電力(50/60Hz)冷房・暖房 | 620/725W・575/695W |
期間消費電力(50/60Hz) | 1316/1480kW |
運転音(50/60Hz) | 56/57dB |
備考 | 内部乾燥モード有り |
年中活躍する冷暖房モデル
冷房に加え、寒い時期にも活躍する暖房も搭載する窓用エアコン。内部乾燥モードを搭載し、カビの発生を抑えることが可能です。
さらに、部屋の空気を強制排気する「換気機能」を搭載。窓を開けることなく室内の空気を排出することができます。一年を通して部屋の温度を快適に保ちたい方におすすめです。
窓用エアコンの電気代はどれくらい?
今回紹介した窓用エアコンの電気代目安を、メーカー発表の期間消費電力から計算しました。
※消費電力1kWあたり27円として電気代を計算しています
メーカー・型番 | 期間消費電力(50/60Hz) | 電気代目安(50/60Hz) |
---|---|---|
コロナ・CW-1620 | 364/416kW | 約9,342/11,213円 |
コイズミ・KAW-1602/W | 415/472kW | 約11,205/12,744円 |
コイズミ・KAW-1901/W | 472/576kW | 約12,744/15,552円 |
トヨトミ・TIW-A180K | 391/434kW | 約10,557/11,718円 |
ハイアール・JA-18U | 416/468kW | 約11,213/12,636円 |
コロナ・CWH-A1820-WS | 1316/1480kW | 約35,532/39,960円 |
ちなみに、冷暖房タイプのコロナ・CWH-A1820-WSは、暖房の運転も期間消費電力に含まれるため、電気代目安も高くなっています。ぜひランニングコストの目安として役立ててください。
窓が狭くて設置できない方におすすめの製品
最後に、窓幅が小さく窓用エアコンを設置できない方に向け、スポットクーラーを紹介します。窓用エアコンと特徴はほとんど変わりません。
ナカトミ(NAKATOMI) スポットクーラー MAC-20
適正畳数 | ー |
冷房出力(50/60Hz) | 2.0/2.3kW |
本体サイズ | 幅370×奥行345×高さ705mm |
重量 | 約22kg |
消費電力(50/60Hz) | 750/770W |
運転音(50/60Hz) | 55/57dB |
冷房能力が高いスポットタイプ
窓幅121mm以上あれば設置できる、ハイパワーなスポットクーラー。切タイマー・入タイマーを搭載し、最大24時間の予約運転が可能です。
窓用エアコンと同程度に重いのですが、本体にキャスターが付くので移動もラクラク。窓幅をあまり消費しない冷房が欲しい方は要チェックです!
まとめ
今回は工事の必要がない窓用エアコン特集しました。工事不要といってもそれなりに重いので、設置する際は落下による怪我に十分気を付けてください。
また、窓用エアコンは室外が熱すぎても冷房効果が下がってしまいます。直射日光を受けると思うように冷房が効かないこともあるので、サンシェードを併用するなど、ぜひ工夫してみてください。