私たちが生活する上でどうしても出てしまう生ごみ。いやなニオイやコバエなど虫の発生の原因になり、長い目で見ると日々のごみ捨ての負担は計り知れないものがあります。
そんな生ごみの問題を多数解決するのが生ごみ処理機。生ごみの重さやニオイを減らし、製品によってはそのまま堆肥として使えるようにできるものもあります。また、地域によっては助成金がでるので、お得に導入できることも。
今回の記事では生ごみ処理機の種類に始まり、選び方と購入前の注意点、おすすめの製品を紹介します。前から気になっていた方や初めて知った方、迷っている方もぜひ読んでみてください。
おすすめの生ごみ処理機をすぐに見たい方はこちら
生ごみ処理機の種類
コンポストとも呼ばれる生ごみ処理機。生ごみ処理機と一口に言っても、内部の構造によって3種に分類され、生ごみの処理方法や電気代などに違いがあります。それぞれを説明するので、前もって確認しましょう。
乾燥式
その80%が水分と言われる生ごみ、これを温風によって乾燥することで微生物の増加を防ぎ、水分・ニオイを直接減らす処理方法が乾燥式です。電力を消費しますが、比較的スピーディに生ごみを処理できます。
中には、生ごみを乾燥と合わせてかくはんし砕き、さらに処理しやすく工夫されているものも。主に屋内用です。
バイオ式
生ごみを微生物によって分解し、いわゆる「堆肥化」することでニオイや生ごみとしての質量を減らす処理方法がバイオ式。屋内用・屋外用どちらも存在します。
土や落ち葉、米ぬかなどに多く含まれる微生物で生ごみを発酵・分解しますが、この他に、発酵させるための菌を含んだ「ボカシ(発酵促進剤)」を使い堆肥化する方法も。
ハイブリッド式
バイオ式と乾燥式を組み合わせた処理方式がハイブリッド式です。生ごみを発酵・分解するバイオチップを投入し、そこに生ごみを入れることで乾燥・発酵・分解し、その生ごみ自体がバイオチップ化するという仕組み。
基本的にバイオ式のように生ごみを分解します。屋内用の製品しか確認できていません。
生ごみ処理機の選び方
ここからは生ごみ処理機の選び方を説明します。どういったことを指針として選べば良いかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
種類で選ぶ
乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式と、それぞれ生ごみの処理方法が違うことは上で説明しましたが、使用に向く環境や処理後の生ごみをどうしたいかによって、どの種類を選べば良いかが大まかに見えてきます。
まず、庭や畑などを持っていて生ごみを堆肥として使いたい場合は、バイオ式・ハイブリット式のものがおすすめ。砕いたりさらなる発酵をしたりせず、しばらく放置しただけで堆肥として使えるものが多くあります。乾燥式だと基本的に乾燥するのみで生ごみが発酵せず、肥料としての利用に向かないことが理由。
次に、寒い時期や地方で使いたい場合は、乾燥式・ハイブリッド式・屋内用のバイオ式がおすすめです。微生物(細菌)の繁殖に適した温度が40~60℃とかなり高い温度なので、屋外用のバイオ式生ごみ処理機では、冬場など寒い時期だと思うように発酵せず、処理できないまま容器がパンパンになってしまうことも。
家族人数で選ぶ
人が一日に出す生ごみの量は、目安として大体150gほど。乾燥式の処理機は容量が少ないものが多いので、この容量をオーバーしないよう選ぶことが最重要です。
バイオ式の場合、そもそも処理が終わるまでに2週間ほどかかります。そのため、二つ以上導入し一つが満杯になったら別のものを使う交互使用や、大容量タイプを満杯時に移設するという使い方もおすすめです。
生ごみ処理機を購入する前にチェックしたいこと
ここでは生ごみ処理機を導入する前の注意点や、チェックするとお得かもしれないポイントを説明します。
市区町村によっては助成金がでる
冒頭でも少し触れましたが、生ごみ処理機はそれぞれの市区町村によって助成金(補助金)が出るところもあります(全市区町村の60%ほど)。
助成金は生ごみ処理機の価格の〇%までで、〇〇円までというように決まっており、各自治体によって手続き方法が違うのでどうしても自分で確認しないといけません。お得に入手できるかもしれないので、ぜひチェックしましょう。
例として市区町村ごとのデータを掲載します。
市区町村 | 助成金上限 | 助成金比率 |
---|---|---|
東京都品川区 | 20,000円 | 33.30% |
大阪府岸和田市 | 20,000円 | 50% |
秋田県秋田市(電気式のみ) | 30,000円 | 50% |
北海道札幌市各区(募集制・2020年は締め切り) | 20,000円 | 50% |
福岡県大牟田市 | 18,000円 | 45% |
神奈川県横須賀市 | 30,000円 | 50% |
外に置く場合はニオイに気を付ける
屋外に生ごみ処理機を置く時に、どうしても避けられないのがニオイや虫の問題。密閉すればかなり防げますが、置く場所を間違えてしまうと近隣とのトラブルに発展しかねません。
ニオイが漏れた場合を考え、できるだけよその家の敷地と離れた場所に設置し、迷惑が掛からないようにしましょう。
電気代
使用状況や生ごみの量によって変わりますが、電力を使う生ごみ処理機の電気代は月1,000円ほどが目安。生ごみが減るというメリットを取るか、電気代がかかるなら…と思うかはトレードオフとなる部分です。
以下で始まるおすすめ製品のコーナーでは、それぞれごみ処理一回ごとの電気代目安を記入しています。どれだけかかるかのイメージにぜひ利用してください。
生ごみ処理機のおすすめ【7選】
ここからは、生ごみ処理機のおすすめ製品を乾燥式、バイオ式、ハイブリッド式の3つに分けて紹介します。
※電気代は1kWh=27円で計算
【乾燥式】生ごみ処理機のおすすめ【3選】
まずは、普通のごみ箱のように設置できる、乾燥式のおすすめの生ごみ処理機を紹介!
島産業 家庭用生ごみ減量乾燥機 パリパリキューブライトアルファ PCL-33-PGW
生ごみ最大処理量 | 約700g |
サイズ | 直径215×高さ283mm |
重量 | 約2.1kg |
消費電力 | 150W |
1回ごとの電気代目安 | 常モード/約27円、節電モード/約13~17円 |
運転音 | 約36dB |
一人暮らしにおすすめのサイズ!
清潔感があるデザインで、キッチン側に置いても違和感なく溶け込むコンパクトタイプの生ごみ処理機。節電モードを搭載することが大きなポイントで、約200gの生ごみなら約13円で乾燥できます。
このピンクゴールドの他に、ライトグリーンやブルー、レッドの組み合わせでカラー展開していることも特徴。部屋の雰囲気に合わせたモデルを導入してみてはいかがでしょう。
島産業 家庭用生ごみ減量乾燥機 パリパリキュー PPC-11
生ごみ最大処理量 | 約1,000g |
サイズ | 幅230×奥行270×高さ270mm |
重量 | 約4.1kg |
消費電力 | 300W |
1回ごとの電気代目安 | ソフトモード/約16~23円、パリパリモード/約28~45円 |
運転音 | 約36dB |
5人分のごみに対応する中容量モデル
乾燥しにくいものは「パリパリモード」、野菜くずなど乾燥しやすいものは「ソフトモード」で省電力化を叶える製品。スマートながら約1,000gという容量を誇り、1~5人世帯の生ごみを処理する能力を持ちます。
余裕を持てるので、日によって生ごみの出る量にバラツキの多い少人数世帯におすすめです。
パナソニック(Panasonic) 家庭用生ごみ処理機 温風乾燥式 MS-N53-S
生ごみ最大処理量 | 約2kg |
サイズ | 幅268×奥行365×高さ550mm |
重量 | 12kg |
消費電力 | 800W |
1回ごとの電気代目安 | 標準モード/約20~81円、ソフト乾燥モード/約23~96円 |
運転音 | 42~44dB |
肥料作りもできる大型乾燥式モデル!
パワフルな乾燥力を備え、1回約2kg、1日フル稼働で最大約8kgもの生ごみを乾燥可能な生ごみを処理機。通常ごみは「標準モード」で乾燥し、「ソフトモード」では乾燥式ながら肥料に使えるような乾燥ごみを作ることができます。
また、乾燥式ながら多少の防水能力があるので、直接雨がかからないような位置であれば屋外設置が可能なこともポイント。ただし、電源付近は完全に防水が必要です。
生ごみがとにかく大量にでる世帯や、乾燥式を使いたいけれど肥料作りにも興味がある方におすすめ。
【バイオ式】生ごみ処理機のおすすめ【3選】
続いて主に屋外で使える、おすすめのバイオ式生ごみ処理機を紹介します。生ごみを堆肥として利用したい方は要チェック!
サンコープラスチック 生ゴミ処理機 EMワーカー 15L
容量 | 15L(生ごみ5kgほど) |
サイズ | 直径314×高さ344mm |
重量 | ― |
屋内・屋外どちらでも使える
生ごみとボカシ(生ごみ処理剤)を入れることで生ごみを分解し、分離液と有機肥料に変えることができる、バイオ式の中ではコンパクトな生ごみ処理機。
処理過程で発生する分離液は、害がないのでそのまま流したり、いやなニオイが出る箇所の消臭剤や希釈して液体肥料に使えたりと活躍します。集合住宅で肥料作りをしたい方におすすめ。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) エココンポスト EX-101
容量 | 101L |
サイズ | 幅600×奥行600×高さ522mm |
重量 | 約2.8kg |
フタが開閉しやすく使いやすい
容器の底がなく下部を地面に埋め込んで使う、コンポスト呼ばれることの多いタイプの生ごみ処理機。太陽の熱を吸収し、内部が暖まりやすく発酵を促すよう黒くなっています。
フタがワンタッチで開け閉めでき、とにかく使いやすい仕様。屋外設置タイプで迷っている方におすすめです。
エコクリーン 家庭用生ごみ処理機 自然にカエル S 基本セット
生ごみ最大処理量 | 700gを毎日投入可 |
サイズ | 幅428×奥行283×高さ418mm |
重量 | 約4.5kg |
気温低めでも生ごみを分解!
本体内部に敷きつめた生ごみ分解用のチップが、投入した生ごみと同化するタイプの製品。処理剤で発酵・分解する製品と違い、分解に空気が必要で低温でも生ごみをチップ化することができます。
まんべんなくチップと生ごみを混ぜられるようハンドルが設置されているので、くるくると簡単に内部をかくはん可能。もちろんチップ化した生ごみは肥料として使えます。低気温でバイオ式の生ごみ処理機を使いたい方におすすめです。
【ハイブリッド式】生ごみ処理機のおすすめ
次に、おすすめのハイブリッド方式生ごみ処理機を1機種のみですが紹介します。
ナクスル(NAXLU) 家庭用生ごみ処理機 FD-015M
生ごみ最大処理量 | 日に1~1.5kg |
サイズ | 幅385×奥行430×高さ580mm |
重量 | 18kg |
消費電力 | 60W |
1回ごとの電気代目安 | ごみ1kgあたり、1日約37.5円 |
運転音 | 30dB以下 |
非常に静かで手間が少ない
生ごみを乾燥・分解・発酵するハイブリッド式の生ごみ処理機。毎日のように生ごみを投入しても、チップ化したごみの取り出しは半年から1年に一回でOKです。運転音も静かで、30dBというささやき声よりも小さな音しかしません。
また、脱臭能力が高く、ペットのフンも投入可能。一度セットすれば基本的に生ごみを捨てるだけなので、操作に自信のない方にもおすすめです。
まとめ
意外に奥深い生ごみ処理機。冒頭や文中で触れたように、自治体によっては助成金がでるため、お得に生活の質を上げることができます。肥料を求める方も生ごみ処理を簡単にしたい方も、これを機会にぜひ導入してみてはいかがでしょう。