外気温の低下とともにどんどんと下がっていく湿度。秋や冬になると喉が乾燥して痛くなったり、目が乾燥したりする方も多いのではないでしょうか。空気が乾燥していると、インフルエンザや風邪などのウィルスも活性化するものが多いのだそう。
今記事はそういった日常生活のトラブルを抑制する加湿器について、選び方のポイントや空気清浄機との違い、おすすめの製品を紹介します。乾燥でお悩みの方はぜひチェックしてください、
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加湿器とは
本体内部や備え付けのタンクに水を入れ、その水を利用し空気中の湿度を上げる(加湿する)ことができるのが加湿器です。湿度が高くなると体感温度も上がるため、暖房効果も相対的に上がることになります。
ちなみに、人が快適と感じる湿度は50%前後とのこと。湿度計を持っている方はチェックしてみてください。
空気清浄機との違い
空気清浄機とは室内の空気の吸入と放出を同時にする家電です。吸入した空気はホコリやチリ、ダニや花粉などフィルターを通して除去し、きれいな空気として放出されます。また、いやなニオイを吸着除去するものも多くあります。
この通り性質が加湿器とは全く違う家電ですが、最近では空気清浄機の中に加湿機能や除湿機能を持つものも。ただし、性能が増えるほど高価になる傾向があります。
加湿器の選び方
いざ加湿器を購入しようとしても、どんなものを選べば良いか迷ってしまう方も多いと思います。ここではおさえるべき重要なポイントを説明。ぜひ選ぶ際に役立ててください。
加湿方式の種類で選ぶ
加湿器は加湿方式によってそれぞれ異なった特徴を持ち、メリット・デメリットがあります。ここでは一つずつ説明するので、どのような種類の加湿器が自分に向いているかの参考にしてください。
スチーム(加熱)方式
スチーム方式は加湿器内部で水を加熱し沸騰させ蒸気を発生させる方式です。いったん水が沸騰するので雑菌が死滅しやすく、加湿スピードが速いという特徴があります。
しかし、スチーム自体の温度が高いので触るとヤケドの危険があり電気代は高めです。
ミスト(超音波)方式
ミスト方式は超音波によって水を振動させて蒸気を発生させる方式です。水温が低いのでヤケドの心配はなく、電気代も安く本体をコンパクトに抑えることができます。
ただし、水のミネラルが白い粉として壁や家具などに付着してしまうこともあり、水やタンクが汚れていた場合、雑菌も放出してしまうためこまめな洗浄が必要となります。その特性上、アロマオイルなどを同時に噴射できるものも。
気化方式
水が染みたフィルターに直接送風し、蒸発させることで空気を加湿する方式が気化方式です。雑菌を放出しにくく電気代も安いというメリットがあるのですが、送風音があるので静音性は低く、本体が大きくなりがち。
また、フィルターにカビが付きやすいことと、水に含まれるミネラルなどによって詰まりが発生しやすいことに注意が必要です。ほとんどの製品は定期的なフィルターの交換が必要になります。
ハイブリッド方式
ハイブリッド方式は上記の3方式を2つ以上組み合わせたものや、気化方式の送風を温風にするなどした方式です。
メリットやデメリットはそれぞれの機種によって違いますが、基本的にデメリットを抑えることを目的としてハイブリッド化されています。
全体的にサイズが大き目で価格も高価なものがほとんどです。
加湿器の加湿能力・タンク容量で選ぶ
加湿器はタンク容量が大きいものを選ぶと、給水の手間が減るので無条件に良いと思うでしょうが、そこまで単純なものではありません。
機種ごとにml/h※という単位で加湿量が表されるのですが、タンク容量が2.5Lで全力運転時に500ml/hだった場合、フルパワーでは5時間しか連続稼働できないということになります。
※ml/hとは
例えば200ml/hだった場合、1時間あたりに200mlの加湿能力があるということ。
これらの数値が一番重要なのは睡眠時。水の消費量とタンク容量で計算し、水が運転中に無くならないものを選ぶと、起きるまで部屋の加湿状態が保てるということになります。
お手入れは簡単か
加湿器は日常的に水が入っている家電なので、どうしても雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌を防止する構造のものも多いのですが、それでも1か月に一度ほどはお手入れが必要です。
中にはフィルターやカートリッジを一定期間ごとに交換の必要があるものも。そういったものは清潔性は高いのですが、電気代以外にもランニングコストがかかるということになります。前もって確認しましょう。
空気清浄機能はあるか
赤ちゃんや子どもがいるなど、湿度と同様にダニやホコリなどのハウスダストが気になる方は空気清浄機能付きのものがおすすめ。一つの機器で済むので単純に便利になります。
加湿器のおすすめ10選
ここからはおすすめの加湿器をスチーム方式、ミスト方式、気化方式、ハイブリッド方式の4つに分けて紹介します。
スチーム方式の加湿器おすすめ【2選】
まずはスチーム方式の加湿器の紹介です。雑菌の放出リスクが非常に低いタイプをお探しの方はこちらがおすすめ!
山善(YAMAZEN) 加湿器 KSF-L301
定格加湿量 | 200~600ml/h |
サイズ | 幅225×奥行294×高さ274mm |
消費電力 | 200~500W |
重量 | 約3.7kg |
タンク容量 | 3.0L |
適用床面積 | 木造~10畳、プレハブ洋室~17畳 |
3段階に加湿能力の調整可能
炊飯器のように使いやすいデザインで、加湿機能を3段階で調整できるモデル。フタを開けそのまま水を注ぐだけで給水がしやすく、最大4時間まで設定湿度に保つ機能を搭載します。
チャイルドロック機能を持ち扱いやすい構造なので、機械が苦手な方や安全性が気になる方におすすめです。
象印(ZOJIRUSHI) 加湿器 ホワイト EE-RP50-WA
定格加湿量 | ~480ml/h |
サイズ | 幅240×奥行260×高さ315mm |
消費電力 | 410~985W |
重量 | 約2.8kg |
タンク容量 | 3.0L |
適用床面積 | 木造~8畳、プレハブ洋室~13畳 |
ポットのような加湿器
電気ポットの超有名メーカーである象印が販売する、まるでポットのような加湿器。どう見ても注ぎ口のない電気ポットですが、その実力は確か。フィルターがないのでお手入れも簡単です。
部屋の湿度がわかる湿度センサーや、「ふた開閉ロック」「転倒湯もれ防止構造」「チャイルドロック」と3つの安全機能を搭載しています。操作の簡単さもうれしいポイント。
ミスト方式の加湿器おすすめ
次にミスト方式の加湿器をご紹介。コンパクトでランニングコストが低いものをお探しの方はこちらをチェック!
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 超音波加湿器 PH-U28
定格加湿量 | ~280ml/h |
サイズ | 幅200×奥行200×高さ290mm |
消費電力 | 22W |
重量 | 1.5kg |
タンク容量 | 2.8L |
適用床面積 | 木造~5畳、プレハブ洋室~8畳 |
しずくの形をしたアロマ対応タイプ
無段階のダイヤルで加湿量を細かく設定できる加湿器。アロマオイルを専用の投入口に入れると、アロマディフューザーとしても使用でき、本体上部を回転させることで好きな方向にミストを放出できます。
照明機能も搭載し、ボタンを押すごとに7色にライトアップ!インテリアとしても機能し、安価でコスパの良い加湿器です。
気化方式の加湿器おすすめ【4選】
続いては気化方式の加湿器をご紹介。ランニングコストが低く雑菌の放出を気にする方はこちらがおすすめです。
パナソニック(Panasonic) 加湿機 クリスタルブラウン FE-KXS07-T
定格加湿量 | ~800ml/h |
サイズ | 幅375×奥行196×高さ375mm |
消費電力 | 19W |
重量 | 約5.2kg |
タンク容量 | 約4.2L |
適用床面積 | 木造~12畳、プレハブ洋室~19畳 |
おしゃれなスクエアデザイン
パナソニック独自の「ナノイー」という水に包まれたイオンを放出する機能を持った加湿器。このナノイーは肌のうるおいに好影響を与えるとのこと。また、スギやヒノキなどの花粉の抑制、タバコや生ごみなどの脱臭機能ももちます。
消費電力の低さも驚愕で、ランニングコストをあまり気にせず使用可能。静音性に優れ就寝時にも向くなど、非常にバランスの優れた逸品です。
パナソニック(Panasonic) ヒートレスファン(気化)式加湿機 FE-KXF15
定格加湿量 | 750~1500ml/h |
サイズ | 幅445×奥行350×高さ410mm |
消費電力 | ~47W |
重量 | 約9.8kg |
タンク容量 | 4.5L×2 |
適用床面積 | 木造~25畳、プレハブ洋室~42畳 |
高加湿力でフィルター10年交換不要
3か月に一回、水で押し洗いするだけで約10年交換不要なフィルターを持つ加湿器。圧巻なのはその加湿力で、弱運転で1時間あたり750ml、強運転ともなると1時間あたり1500ml※となります。
その加湿力の高さから、すぐに水の補充が必要かと思われるかもしれませんが、タンクはなんと4.5Lのものを2つ搭載する大容量っぷり。乾燥とオサラバしたい方は要チェックです!
※室温20℃、湿度30%時
シャープ(SHARP) 加湿 空気清浄機 グレー KI-JS70-H
定格加湿量 | ~630ml/h |
サイズ | 幅370×奥行293×高さ660mm |
消費電力 | ~80W |
重量 | 約10kg |
タンク容量 | 3.0L |
適用床面積 | 木造~11畳、プレハブ洋室~18畳 |
赤ちゃんがいる家庭におすすめ
子育て雑誌「ひよこクラブ」の空気清浄機部門の調査で、6年連続受賞モデル。2018年11月に行われた調査では1位に輝いています。
その秘密はシャープ独自の「プラズマクラスター」技術。空気中や衣類などに付着したアレルギー物質やウィルスの作用を抑えるのだそうです。また、付着臭の脱臭効果があり、ニオイがついたソファーなどを狙い撃ちする機能も搭載。
加湿機能と空気清浄効果を両立したい方におすすめのモデルです。
ダイキン(DAIKIN) 除加湿 うるるとさらら空気清浄機 ビターブラウン MCZ70W-T
定格加湿量 | ~650ml/h |
サイズ | 幅415×奥行340×高さ690mm |
消費電力 | ~87W |
重量 | 22kg |
タンク容量 | 3.0L |
適用床面積 | 木造~11畳、プレハブ洋室~18畳 |
あらゆる状況に対応する超多機能性
「集塵」、「脱臭」、「除湿」、「加湿」の4つを1台でこなすダイキンの超ハイグレードモデル。花粉やカビ、乾燥や脱臭と1年中役立ち、染みついたニオイも加湿で水分にニオイをくっつけ、そのまま除湿でニオイごと吸収します。
さらに、本体内部で加湿用のフィルターをセルフ除菌し、タンクの細菌も抑制する機能をもちます。とにかく高性能なモデルを求める方におすすめ。
ハイブリッド方式の加湿器おすすめ【3選】
次にハイブリッド方式の加湿器をご紹介。それぞれ異なった特徴があるので、あなたにピッタリとハマるものが見つかるかもしれません。
ダイニチ(Dainichi) 加湿器 HD-RX519-T
定格加湿量 | 370~570ml/h |
サイズ | 幅375×奥行175×高さ375mm |
消費電力 | 12~170W |
重量 | 4.6kg |
タンク容量 | 5.0L |
適用床面積 | 木造~8.5畳、プレハブ洋室~14畳 |
おやすみ加湿モードが便利
湿度センサーで部屋の乾燥を察知し、湿度が低い場合は普段より加湿量を約15%アップしてくれる加湿器。「おやすみ加湿モード」も非常に便利で、眠りに入る最初の1時間は最小の運転音に抑え、その後は静かながらしっかりと加湿します。
フィルターとトレイは抗菌加工。汚れも落ちやすく清潔に保つことができます。静音性に優れた加湿器が欲しい方におすすめです。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) サーキュレーター加湿器 HCK-5519
定格加湿量 | 約550ml/h |
サイズ | 幅322×奥行220×高さ395mm |
消費電力 | ~160W |
重量 | 5.3kg |
タンク容量 | 約3.7L |
適用床面積 | 木造~9畳、プレハブ洋室~15畳 |
サーキュレーターと加湿器の出会い
水を加熱し除菌しながらも、超音波を使い霧状にして放出する、本体にサーキュレーターが組み込まれた加湿器。強力な風量で遠くまで加湿することができます。また、加湿が不要な季節はサーキュレーターのみでも運転可能です。
湿度はブルーのデジタル表示で見やすく、基本操作は弱・中・強の3モードを切り替えるだけの簡単仕様。お手入れも排水カップの水を捨てるだけでラクラクです様。少し遠くからスポット的に加湿したい方にもおすすめの加湿器。
シャープ(SHARP) 加湿器 HV-J75
定格加湿量 | 静音200ml/h、強750ml/h |
サイズ | 幅272×奥行220×高さ455mm |
消費電力 | 静音12W、強335W |
重量 | 5.2kg |
タンク容量 | 約4.0L |
適用床面積 | 木造~12.5畳、プレハブ洋室~21畳 |
パワフルに加湿できるハイブリッド型
プラズマクラスター7000搭載の、温風を利用した気化方式のハイブリッド加湿器。エコモードを搭載し、長時間運転しても電気代が気になりません。プラズマクラスターにより空気中のカビを除菌、ウィルスなどの抑制効果もあるのだそう。
水の投入は本体上部から注ぐか、水受けトレイを外してシンクで注ぐことが可能です。清潔感があり優しい丸みのあるフォルムで、周りの家具と喧嘩しにくいデザインもおすすめポイント。
まとめ
今回の記事では加湿方式の違うさまざまな機種を紹介しました。乾燥している時間を少しでも縮めたい方は、加湿スピードの速い製品がおすすめです。
フィルター交換の必要がある製品は、フィルターの交換時期や価格もチェックしておきましょう。買ってからランニングコストが多かった…、といった悲しみを背負わないで済みます。
とにもかくにも、自分のライフスタイルに合った加湿器を見つけることが一番です。ぜひピッタリと合うものを探し出してください!