水を補充しておけば、スイッチ一つでお湯が使える電動ポット。かなり歴史ある家電ですが。温度を調整できるようになったり、給湯スピードを変えられたりとジワジワ進化しています。
保温温度の調整できるものなら、赤ちゃんのミルクを作るたびにお湯を沸かさなくて済むといったメリットも。今回はそんな電気ポットの選び方やおすすめ製品、さらには電気代目安も解説します。それでは選び方からどうぞ!
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電気ポットを選ぶ上でチェックすべきポイント
お湯を沸かし保温もできる電気ポット。単純に見えて選ぶ上でチェックすべきポイントが複数あります。ここではそれらのチェックポイントを説明するので、最適なものを選ぶ手助けにぜひご利用ください。
容量
電気ポットもポットということで容量が一番重要です。使用人数×1Lほどが目安になりますが、使用スタイルは人それぞれでしょう。
例えば、スープやインスタントコーヒーは一杯200ml、インスタントラーメンは500mlほどと考え、全員が丸一日最大限使ってもカバーできる容量の製品を選ぶと快適に使えます。こういった情報をふまえ、シミュレートをした上で選びましょう。
給湯方式
電気ポットの給湯方法は主にエアー給湯、電動給湯の2種類です。エアー給湯は上部のエアースイッチを押すたびに給湯できる昔ながらのアナログスタイル。電動ボタンを押している間給湯できるタイプが電動給湯です。
指一本で十分なほど力を入れずに給湯できるため、電動給湯がほとんどの部分で優れているのですが、通電していないと給湯できないというデメリットも。その点、エアー給湯には持ち運んでどこでも給湯できる自由度があります。
電動給湯ではそんな弱点をなくすよう、エアー給湯もできたりバッテリーを搭載し給電することなく稼働できたりといった工夫がなされたものも。キャンプなど持ち運んで利用したい方は特にチェックしましょう。
中にはエアー給湯でも電動給湯でもなく、ポット自体を持ち上げ自分で注ぐ電気ケトルと電気ポットの中間といった製品もあります。安価で気楽な製品を好む方におすすめです。
温度調整幅
赤ちゃん用のミルクなど、お湯の温度が重要な場合は求める温度で保温できるタイプを選びましょう。温度の例として、コーヒーは90℃ほど、赤ちゃん用のミルクだと70~80℃ほどが適温です。
赤ちゃん用のミルクに使う方は、あくまでも「保温」ということを注意しましょう。カルキ抜きや殺菌のため、一度沸騰した後のお湯を使うことが推奨されています。
電気代(エコ機能)
電化製品の常として、購入したあともランニングコストとして電気代がかかります。どうせならば電気代を抑えられる、エコ機能が付いたものが欲しい方が多いのではないでしょうか。
電気ポットで一番電気代に影響するポイントは、ポットが魔法びん構造になっているかどうかという部分。これは非常に見分けやすく、魔法びん構造のポットは名前にVE(Vacuum Electricの略)という呼称がつきます。
水筒と同じように、魔法びん構造だと温めたお湯が冷めにくく、その分保温に回す電力が少なくなります。これによって節電できるというワケ。
他にも、設定した時間は保温力を弱め節電するといった機能を持つモデルもあります。おすすめ製品紹介後に、今回紹介した製品の電気代目安も掲載しました。よかったらそちらも参考にしてください。
各種機能(安全機能含む)
最後にチェックすべきポイントが、どのような機能を搭載しているかということ。搭載すればするほど高価になる傾向はありますが、中には自分にぴったりな機能もあるかもしれません。
それぞれ簡単に説明するので確認してみましょう。
蒸気レス
内部の構造によって蒸気を冷やすことで水滴に戻し、蒸気の放出を抑えるのが「蒸気レス」機能です。棚の内部に置くと発生しがちなカビを抑えたり、蒸気によるヤケドを防げたりします。
キッチンタイマー
ついていると案外便利なのがこれ。名前の通り、時間を設定すると電子音で知らせてくれる、キッチンに置かれがちな電気ポットと相性がいい機能です。既にキッチンタイマーを利用している方も、もう一つあったらなぁ…と思ったことがあるのではないでしょうか。
ゆっくり給湯
あえて弱い水勢で給湯をおこなうのがゆっくり給湯機能。コーヒーのドリップや水量調整が難しいカップスープなどに活躍します。電気ポットを利用したことがない方にこそおすすめしたい機能です。
空だき防止
ポット内部に水がない状態だと、自動で加熱を停止するのが空だき防止機能です。ポット利用を忘れて旅行してしまうようなうっかりさんも、これがあれば安心でしょう。今ではほとんどの電気ポットに搭載されています。
電気ポットのおすすめ【7選】
ここからはおすすめの電気ポットをスタンダード・コンパクト・大型の3つに分けて紹介します。
【スタンダードタイプ】電気ポットのおすすめ【2選】
まずは容量2.2/3.0Lのスタンダードなおすすめ電気ポットを紹介。2~4人ほどの世帯の方におすすめのタイプです。
タイガー(TIGER) 蒸気レスVE電気まほうびん とく子さん PIM-G220
容量 | 2.2L |
給湯方式 | 電動給湯&エアー給湯 |
温度調整幅 | 70/80/90/98℃・まほうびんモード |
サイズ | 幅218×奥行308×高さ279mm |
重量 | 約3.2kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 700W/221kWh |
搭載機能 | 蒸気レス沸騰、お湯計量機能、ゆっくり給湯、キッチンタイマー他 |
インテリア性の高いスクエアフォルム
丸みを帯びがちな電気ポットとしては珍しく、あえて角ばらせたスクエアフォルム仕様のインテリア性の高い製品。おしゃれなだけでなく、蒸気レス機能や設定した量のお湯が出せる計量機能など、使いやすさにもこだわっています。
傾いてしまった場合や転倒時にお湯もれを防止する安全機能が充実していることもポイント。モダンな電気ポットを探している方にイチオシの製品です。キッチンタイマーも搭載しています。
タイガー(TIGER) 蒸気レスVE電気まほうびん とく子さん PIG-J300
容量 | 3.0L |
給湯方式 | 電動給湯&エアー給湯 |
温度調整幅 | 70/80/90/98℃・まほうびんモード |
サイズ | 幅234×奥行302×高さ310mm |
重量 | 約3.8kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 700W/201kWh |
搭載機能 | 蒸気レス沸騰、空だき防止、キッチンタイマー他 |
保温時間を設定でき賢く節電可能
上で紹介したPIM-G220の、さらに多機能版といった位置付けの電気ポットがこちらのPIG-J300。特に節電性能の高さがウリで、多段階の温度調整の他に保温時間の設定も可能です。
さらに、「エココース」を設定すると完全に沸騰する前に加熱を停止したり、2時間以上使わないと自動で約5℃設定温度を下げたりするこだわりよう。ランニングコストの低さと機能性、両方を求める方は要チェックです!
【コンパクトタイプ】電気ポットのおすすめ【2選】
次にコンパクトなおすすめ電気ポットを紹介。一人暮らしだとこれくらいの容量で十分といった方も多いのではないでしょうか。
象印(ZOJIRUSHI) 沸とう電気ポット CH-DT10
容量 | 1.0L |
給湯方式 | 手動給湯 |
温度調整幅 | 一定温度 |
サイズ | 幅150×奥行210×高さ235mm |
重量 | 約1.2kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 430W/200kWh |
搭載機能 | 空だき防止、転倒湯もれ防止他 |
シンプルイズベスト!?
汚れやほこりの付きにくいステンレスボディの電気ポット。お湯を沸かして保温するだけという、電気ポットの基本に立ち返ったような潔さが魅力の一つでしょう。
給湯方法は今記事唯一の手動方式。中央のボタンを押しロックを解除し、自分で注ぐだけというこれまたシンプルな仕様です。余分な機能は要らないといった方におすすめ。
象印(ZOJIRUSHI) 電動ポット STAN. CP-CA12
容量 | 1.2L |
給湯方式 | 電動給湯 |
温度調整幅 | 70/90℃ |
サイズ | 幅175×奥行270×高さ250mm |
重量 | 約2.0kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 1300W/293kWh |
搭載機能 | ゆっくり給湯、再沸騰、空だき防止、ロック他 |
おしゃれで小回りが効くモデル
象印のおしゃれ家電シリーズ「STAN.」の電気ポットがこちら。ブラックを基調としたスタイリッシュな本体に加え、加熱時1300Wのハイスピード加熱、赤ちゃん用ミルクにぴったりな70℃保温とかゆい所に手が届く仕様となっています。
他にも保温なしに設定すれば電気ケトルのように使え、「ゆっくりカフェドリップ給湯」でコーヒーの抽出もお手のもの。そこまでお湯を使わないけれど、ある程度温度調整できるものが欲しい方におすすめです。
【大型タイプ】電気ポットのおすすめ【3選】
続いて大型のおすすめ電気ポットを紹介。大家族や会社の給湯室といった、大量にお湯を使いたい方は要チェックです。
パナソニック(Panasonic) マイコン沸騰ジャーポット NC-SU404
容量 | 4.0L |
給湯方式 | 電動給湯(コードレス可) |
温度調整幅 | 70/80/90/98℃ |
サイズ | 幅247×奥行345×高さ339mm |
重量 | 約3.4kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 910W/217kWh |
搭載機能 | 静音沸騰、給湯量調整、空だき防止、学習省エネ他 |
使用パターンを記憶する学習省エネ
このサイズとしては非常にエコ性能の高い電気ポット。名前にVE表記はありませんが、容器側面に「U-Vacua」という名前の真空断熱材を採用しています。
高いエコ性能の秘密は2つあり、1つ目は「学習省エネ」機能。使い始めから急騰した時間を記憶し、それに基づいて自動で沸騰することで自動での省エネを可能にしています。2つ目は「お好み温調」※機能。使いたい湯温を70/80/90℃と設定すると、あえて100℃沸騰させずにその温度で給湯できるよう調整し省エネします。
また、電源に接続していなくても内部のバッテリーにより、約8~10時間なら給湯できるレア機能の「コードレス電動給湯」を採用。大容量でランニングコストの低い電気ポットが欲しい方におすすめです。
※赤ちゃん用のミルクに使う場合、一度沸騰し殺菌することが求められるので、ミルク用に給湯するならば「お好み温調」機能は使わないよう注意してください。
タイガー(TIGER) 蒸気レスVE電気まほうびん とく子さん PIE-A500
容量 | 5.0L |
給湯方式 | ワイドレバー式電動給湯 |
温度調整幅 | 80/90/98℃ |
サイズ | 幅234×奥行302×高さ387mm |
重量 | 約3.9kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 905W/377kWh |
搭載機能 | 再沸騰、蒸気レス、空だき防止、ロック |
左右どちらからも給湯可能
本体天面前方、シルバー部分の左右どちらも給湯に対応する「ワイドレバー式電動給湯」システムを採用する電気ポット。蒸気の出ない「蒸気レス」構造のため、子どもへの安全性を認められた「キッズデザイン賞」を受賞している製品でもあります。
大型で安全性の高い電気ポットが欲しい方におすすめです。
象印(ZOJIRUSHI) VE電気まほうびん 優湯生 CV-RA50
容量 | 5.0L |
給湯方式 | 電動給湯 |
温度調整幅 | 90/98℃・まほうびんモード |
サイズ | 幅230×奥行315×高さ340mm |
重量 | 約3.6kg |
定格消費電力/年間消費電力量 | 1300W/444kWh |
搭載機能 | ゆっくり給湯、再沸騰、空だき防止他 |
大出力で一気に沸かす
魔法びん構造で保温能力を高め、1300Wでのハイパワー加熱が特徴の大容量モデル。お手入れのしやすさや耐久性に優れるステンレスボディも魅力です。
消費電力が少し高めなので、それが気にならない方やたっぷりお湯を使いたい方、給湯室など業務用としておすすめ。お湯が500ml以下になるとお知らせする機能や、最大16時間まで設定できるタイマーを内蔵していることもポイントです。
今回紹介した電気ポットの電気代目安
電気ポットは1年を通した消費電力量の目安として「日本電機工業会」の定めた基準※で計測された年間消費電力がそれぞれ記載されています。
今回その情報を元に、おすすめコーナーで紹介した製品の、1日・30日・365日でかかる電気代目安を計算してみました。ぜひ参考にしてください。
※電気ポットの日本電機工業会基準
室温23℃、湯沸かし2回/1日、再沸とう1回/1日、保温90℃で23時間/1日で365日使ったとするもの。
メーカー・型番 | 年間消費電力量 | 1日当たりの電気代目安 | 30日 | 365日 |
---|---|---|---|---|
タイガー・PIM-G220 | 221kWh | 約16.3円 | 約490円 | 約5,967円 |
タイガー・PIG-J300 | 201kWh | 約14.9円 | 約446円 | 約5,427円 |
象印・CH-DT10 | 200kWh | 約14.8円 | 約444円 | 約5,400円 |
象印・CP-CA12 | 293kWh | 約21.7円 | 約650円 | 約7,911円 |
パナソニック・NC-SU404 | 217kWh | 約16.1円 | 約482円 | 約5,859円 |
タイガー・PIE-A500 | 377kWh | 約27.9円 | 約837円 | 約10,179円 |
象印・CV-RA50 | 444kWh | 約32.8円 | 約985円 | 約11,988円 |
※1kWh=27円としています。
まとめ
コーヒーのドリップに使いたい方は「ゆっくり給湯」や90℃保温、赤ちゃんのミルクに使うなら70℃保温持ちといったように、ライフスタイルに合った容量・機能を持つ電気ポットを選ぶことが重要です。
ぜひおすすめコーナーも参考にして、自分にぴったりと合う電気ポットを見つけ出してください!