キャンプなどのアウトドアから大規模停電など、電源喪失時に防災の備えとしても役立つソーラー充電器。一つは持って置くと、もしもの時に安心できるアイテムです。
今回の記事では、持ち運びもできて発電量も多めの折り畳みソーラー充電器について、まずはタイプ別の特徴や選び方の解説、最後におすすめの製品を紹介します。ぜひ導入の参考にしてください。
ソーラー充電器とは
ソーラー充電器(ソーラーチャージャー)とはいわゆるソーラーパネルで、主に太陽光などの強い光を電気に変換し、その発電した電気をスマホやモバイルバッテリーなど、さまざまな機器に充電できるアイテムです。
日差しが強い時はしっかりと発電可能ですが、曇天時や冬場など日差しが弱かったり、日照が少なかったりすると発電力がどうしても少なくなります。天気や時期に影響を受けることを覚えておきましょう。
ちなみに、ソーラー充電器は一枚タイプ、折りたたみタイプ、バッテリー付きタイプの3種類。一つずつ簡単に特徴を見てみましょう。
一枚タイプ
一枚タイプは名前の通り一枚板状のソーラーパネルです。主に車の天面や住宅の屋根などに固定し利用。ソーラーパネルの発電部を板全体に敷き詰められるため、発電力は他のタイプより高いのですが、携行性は低くなっています。
折り畳みタイプ
上の一枚タイプと似ていますが、発電するパネル部が分離しているので、折り畳んで持ち運びもできるのが折り畳みタイプ。ソーラー充電器全体の面積を考えると一枚タイプよりも発電量は若干少なくなります。
今回紹介するのはこちらのタイプです。
バッテリー付きタイプ
モバイルバッテリーに小さいソーラーパネルが付いたものがバッテリー付きタイプ。初めて見る方は便利そうに感じるかもしれませんが、現状ではソーラーで実用的な発電量を持つものはありません。
コンセントやUSBなどから充電することをメインとして作られているので、このタイプを選ぶならば通常のモバイルバッテリーを選んだ方がいいでしょう。
折り畳みソーラー充電器の選び方のポイント
ここからは折り畳みソーラー充電器の選び方の指針となる、チェックすべきポイントを説明します。
発電量・サイズ
まずチェックするポイントは発電量です。ソーラー充電器はパネルが大きいほど受ける光が多くなるので、それに伴い発電量が大きくなります。パワフルなものを求めるならば、どうしてもサイズは大きくなることを理解しましょう。
ソーラー充電器ごとに最大発電量はW(ワット)で表されます(例外としてバッテリー付きタイプはほぼ発電しないためか表示なしがほとんど)。基本的にこのWが大きいほど発電量が多いということ。
また、DCやUSB出力などはV(ボルト)とA(アンペア)で出力が表示されます。スマホなどを充電したい場合は最低でも1A、タブレットは2A以上あるものを選びましょう。ちなみに、V×A=Wとなります。
他に、登山やハイキングなどでリュックにソーラー充電器を装着する場合、軽くコンパクトなものがおすすめ。逆に、車載する場合などサイズも重さも気にしなくていいなら、発電量を考えるだけでOKです。用途と照らし合わせて検討しましょう。
発電効率とは
ソーラー充電器のスペックでよく見る発電効率ですが、これは光をどれだけエネルギー(電力)に変えられるかということ。例えば発電効率が10%なら光の10%を電力として変換できるという指標になります。
2020年現在の技術では市販のソーラーパネルだと20%ほどが多く、20%を超えると高効率と言って差し支えありません。
出力ポートの種類と数
ソーラー充電器はUSBポートのみ、DCポートのみ、DC+USBなど、それぞれ持っている出力ポートが違います。充電したい機器や持っているケーブルと相談して選びましょう。
他のタイプの充電器と共通しますが、多くの機種で複数ポートの同時出力時は電流の制限が起こります。もともと供給電力が安定しにくいソーラー充電器ですので、それほど気にしなくていい部分ではありますが覚えておきましょう。
急速充電機能の有無も確認しよう
USBで充電する場合は急速充電機能があるかチェック!USB-CだとPD、USB-AはiSmart、QC、Smart-IC、TIR-Cテクノロジーと名称はさまざま。基本的に最適な電流に調整して急速充電するシステムです。
急速充電器の記事では充電についてさらに詳しく解説しています。
防水機能の有無
屋外で利用することの多いソーラー充電器、防水機能があると急な雨に降られても安心です。ただし、折り畳みタイプは布製の生地にソーラーパネルが貼られることが多いためか、生活防水程度のものが多くなります。
車内のフロントガラス付近など雨の心配がいらない場所ならまだしも、キャンプなどアウトドアで使用する場合はチェックしましょう。
折り畳みソーラー充電器のおすすめ【8選】
ここからはおすすめの折りたたみソーラー充電器をコンパクト、スタンダード、ハイパワーの3つに分けて紹介します。
コンパクトな折り畳みソーラー充電器のおすすめ【1選】
まずはコンパクトな折りたたみソーラー充電器のおすすめを紹介。出力は控えめですが、リュックと一緒に背負って使える気軽さがGOOD!な製品です。
BigBlue ソーラーチャージャー B401E
折り畳み時サイズ | 160×282×34mm |
展開時サイズ | 840×282×―mm |
重量 | 615g |
出力 | 28W/5V/2.4A |
ポート数 | USB/A2 |
発電効率 | 21.5~23.5% |
備考 | 最大4A制限、、IPX4防水対応 |
電流をリアルタイムで確認できる
折り畳み時がA4よりも一回りコンパクトなソーラー充電器。スマホなどのデバイスを収納するポケットがあり、IPX4の生活防水を備えているので、ある程度の小雨なら大丈夫です。
本体に備え付けられた電流計でソーラー発電量が可視化されていることもGOODポイント。適切な日照を得るヒントになります。
スタンダードな折り畳みソーラー充電器のおすすめ【4選】
次にUSB機器からポータブル電源への給電まで、幅広く活躍するスタンダードな折りたたみソーラー充電器のおすすめを紹介。
enkeeo ソーラーチャージャー SCB-50-JP
折り畳み時サイズ | 359×506×60mm |
展開時サイズ | 950×506×10mm |
重量 | 2.44kg |
出力 | 50W、DC・12-18V/2.77A、USB QC3.0・5V3A/9V2A/12V1.5A、USB 2.0・4.75-5.45V/3A |
ポート数 | USB/A2、DC/1 |
発電効率 | 20%~ |
備考 | TIR-Cテクノロジー搭載(急速充電システム) |
車のバッテリーチャージも可
付属品としてクランプが付くので、他の部品を買い足すことなく車のバッテリー上がりに対処できるソーラー充電器。USBの1ポートはQC3.0に対応しています。
他にも急速充電システムとしてTIR-Cテクノロジーを搭載しています。
Jackery(ジャクリ) SolarSaga 60 PRO ソーラーパネル
折り畳み時サイズ | 425×535×35mm |
展開時サイズ | 855×535×5mm |
重量 | ーkg |
出力 | 68W、DC・22V/3.09A、USB-A・5V/2.4A、USB-C・5V/3A |
ポート数 | USB/A1、C1、DC/1 |
発電効率 | 23% |
備考 | IP65防塵防水対応(端子部以外) |
防塵・防水機能が高い
折り畳みソーラー充電器としては非常に高い防塵防水のIP65に対応する製品。これは粉塵からの完全な防護と、強力な水流を3分間どの方向から受けても機器に問題が生じないというレベルとなります。
重量が軽く発電効率も23%とかなり高め。ちなみにこちら、「Jackery ポータブル電源 240」推奨モデルとなっています。
CHOETECH ソーラーチャージャー
折り畳み時サイズ | 410×360×25mm |
展開時サイズ | 1,580×410×46mm |
重量 | 4.3kg |
出力 | 80W、DC・18V 5.68A、USB-C(PD)・5V3A/9V3A/15V2A/20V1.5A、USB QC3.0・5V3A/9V2A/12V1.5A、USB 2.0・5V/2.4A |
ポート数 | USB/A2、C1、DC/1 |
発電効率 | 23%~ |
備考 | IPX4防水対応 |
急速充電に対応するUSB-Cポート
QC3.0に対応するUSB-Aポートに加え、PDに対応したUSB-Cポート、他にDCとUSB-Aを持ち、計4ポートの同時充電が可能なソーラー充電器です。
DCは10種類の接続アダプターが付属し、多数のポータブル電源などかなりの機器に対応します。さまざまな機器に充電したい方におすすめ。
ラ・チタ(Lacita) ソーラーパネル エナーボックス citasr-01
折り畳み時サイズ | 225×350×75mm |
展開時サイズ | 2,310×350×25mm |
重量 | 約3.3kg |
出力 | 81W、DC・18V/4.5A、USB・5V/2A |
ポート数 | USB/A1、DC/1 |
発電効率 | 20% |
コンパクトに収納できる
同社ポータブル電源のエナーボックス「CITAEB-01」の公式対応モデル。ペグやカラビナフック、ハンマーまで付属しキャンプに使ってくれと言わんばかりのスタイルです。
他の同程度の機能を持つモデルより展開時のサイズが大きく、折り畳み時のサイズが小さいことも大きなポイント。ポート数はUSB-Aが1つとDCも1つと少なめなので、持ち運びを優先する方に向きます。
ハイパワーな折り畳みソーラー充電器のおすすめ【3選】
次に出力100Wを超えるおすすめのハイパワーな折り畳みソーラー充電器を紹介します。ポータブル電源に素早く充電したい方は要チェック!
アイパー(Aiper) ソーラーチャージャー 10種DCプラグ 自立式スタンド付 SP100
折り畳み時サイズ | 530×350×35mm |
展開時サイズ | 530×1,400×3mm |
重量 | 4kg |
出力 | 100W、DC・18V/5.5A、USB QC3.0・― |
ポート数 | USB/A2、DC/1 |
発電効率 | 23~25% |
備考 | Smart-IC搭載(急速充電システム) IPX4防水対応 |
複数配列も可能
こちらの折り畳みソーラー充電器、2枚を並列接続することで200Wの出力も可能。また、10種のDCコネクタが付属し、さまざまなポータブル電源で使用できます。
電圧計と光量計を内蔵し、出力ポート部ではDCへの出力電圧と光量も表示。USB-Aは両ポートともに急速充電システムを備えます。
Jackery(ジャクリ) SolarSaga 100 ソーラーパネル
折り畳み時サイズ | 610×535×35mm |
展開時サイズ | 1,220×535×5mm |
重量 | 4.2kg |
出力 | 100W 、DC・18V/5.5A、USB-A・5V/2.4A、USB-C・5V/3A |
ポート数 | USB/A1、C1、DC/1 |
発電効率 | 23% |
備考 | IP65防塵防水対応 |
各種Jackeryポータブル電源におすすめ
Jackeryポータブル電源400/700/1000に純正対応する高出力ソーラーパネル。60W出力のSolarSaga 60と同じように、パネル自体はIP65と高めの防塵防水機能を備えますが、USBなどの接続端子は水に弱いので注意しましょう。
高出力パネルとしては珍しくUSB-Cポートを備えていることも特徴。Jackeryポータブル電源とお揃いのカラーリングを生かしセットで利用したい方、USB-C機器を利用したい方におすすめです。
SmartTap ソーラーパネル充電器 STSL120FD-MC4
折り畳み時サイズ | 510×554×30mm |
展開時サイズ | 1,578×554×―mm |
重量 | 4.2kg |
出力 | 120W/18V/6.67A |
ポート数 | MC4/1 |
発電効率 | 20% |
備考 | DC8mm変換ケーブル付属 |
PowerArQに対応する純正モデル
ポータブル電源「PowerArQ」シリーズに対応する純正の折り畳みソーラー充電器。基本的にPowerArQを使っている方におすすめのモデルです。出力はMC4の1ポートのみとなっています。
防水機能を持たないので、購入する場合は雨など水濡れには注意を!
このソーラー充電器は「PowerArQ」シリーズ純正モデルですが「PowerArQ 626Wh」の製品ロットナンバーHTST017以前のモデルだと,下の別売り電圧変換ケーブルも必要となります。必要な方はご覧ください。
まとめ
折り畳みソーラー充電器を選ぶ際は発電量とサイズ、出力ポートの種類と数、防水機能が最重要となります。用途に合ったモデルをしっかりと検討するようにしましょう。
ソーラー充電器を防災の備えとして持ちたい方、日常生活の節電に用いたい方は、ポータブル電源と一緒に導入するとより役立ちます。気になる方はこちらもご覧ください!