対応する機器に電流の調整によりすばやく充電できる急速充電器。「スマホを充電する時間が取れないような時に限って急ぎの呼び出しがくる…」、「電源が使えるスポットで短時間でも大きく充電したい!」といった方々にピッタリなアイテムです。
そこで今回は急速充電器について選び方の重要なポイント、iPhoneで急速充電するために必要なものやおすすめの製品を紹介します。ぜひご覧ください。
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急速充電器の選び方
急速充電器の導入を考えていても、どういったものを選べば良いか迷ってしまう方のために、ここからは選び方の重要なポイントを説明します。
充電したい機器に対応したものを選ぶ
当たり前と思われがちですが、充電したい機器に対応した急速充電器を選ぶことは最重要かつ、迷いやすいポイント。
まずは、コネクタ(接続部)を確認しましょう。充電したい機器側に接続するコネクタとして代表的なものだと、USB 2.0 Micro-B・USB Type-C・Lightningの3つが多くなります。
急速充電器から機器までしっかり接続できれば、基本的な充電は可能です。ただし、例えコネクタが合っていたとしても、機器やケーブルが対応していなければ急速充電をすることができません。
せっかく急速充電器を導入しても、普通の充電ではせっかくのメリットを消してしまっているようなもの。充電したい機器が急速充電に対応しているか、適切なケーブルかしっかり検討しましょう。
iPhoneを急速充電したい人は
スマホとしては圧倒的なシェアを誇るiPhone。忙しい時にすばやく充電できたら…、と考える方も多いと思います。結論から言うと、iPhone 6~11までは急速充電が可能です。(iPhone 11 pro以降のモデルは素で急速充電可。iPhone 12は次のコーナーで触れます)
まず、iPhone 6 / 6Plus / 6s / 6sPlus / SE(2含む) / 7 / 7Plusの8機種は、購入時に付属した充電器を交換するだけで充電速度のアップが見込めます。具体的には、USB Type-Aの出力が12W(5V/2.4A)あれば上記8機種はOK。
※USB Type-C ポートしかない充電器を使いたい場合は、以下で触れるUSB Type-C to Lightningケーブルも必要になります。
次にiPhone 8 / 8Plus / X / XS / XSMax / XR/ 11の7機種ですが、こちらを最速で充電したい場合は後述のPDに対応したUSB Type-Cポートを持つ急速充電器とUSB Type-C to Lightningケーブルが必要になります。
こちらの7機種に必要な急速充電器の出力は、18W以上あると最速での充電が可能。これ以上のパワーを持つものでも自動で修正してくれるので安心してください。
問題はUSB Type-C to Lightningケーブルで、こちらは公式のPD対応ケーブルか「MFi認証※」がされた他社のケーブルが必要です。
※MFi認証
iPhoneを発売するAppleに認められた証。この認証がないとそもそもエラーで動かなかったりアップデート時に動かなくなったりする可能性も…。
PD対応& MFi認証済の急速充電に対応するおすすめのUSB Type-C to Lightningケーブルも一応置いておきますので、良かったら参考にして下さい。
iPhone 12について
iPhone 12は充電器が同梱されていません。ただし、充電に必要なUSB Type-C to Lightningケーブルは同梱されているため、出力が20W以上でPDに対応した充電器を選べば急速充電が可能です。Apple公式から販売もされているので、純正品を求める方は以下のリンクをご覧ください。
また、ワイヤレスで急速充電ができるMagSafe充電器にも対応しています。こちらも純正品です。
充電システムで選ぶ
充電システムは全メーカーが使っているものであったり、メーカーごとにほぼ効果は同じで名前が違ったりととにかく複雑。流し読みしたい方は、とりあえずこれらの機能があるといいんだ程度に考えてOKです。
USB Power Delivery(PD)
USB Power Delivery(PD)はUSB Type-Cポートにのみ対応する、最大で100Wもの給電が可能なシステム。iPhoneやAndroid、タブレットやノートPCなどさまざまな機器に対応し、現在の花形と言っても差し支えないシステムです。
この「PD」充電したい機器はもちろん、USBケーブルも対応していないと急速充電機能が利用できません。PDに対応したおすすめのUSB Type-Cケーブルは下をご覧ください。
↑PD60Wまでに対応するUSB Type-C to USB Type-Cケーブル。今回紹介する急速充電器を使う場合、こちらでUSB C to Cはすべて対応しています。
↑PD100Wまでに対応するUSB Type-C to USB Type-Cケーブル。こちらは60W以下の製品でも、安全マージンを取りたい方や新機種導入時の買い直し防止、データ転送にも使いたい方におすすめです。
↑すべてにおいて最高級を求める方はこちら。高速データ転送・100Wの出力に対応しています。
Quick Charge
Quick Charge(急速充電)は主にAndroidスマホなどに向く急速充電システムです。電圧の調整によりすばやい充電を可能にしています。
Quick Charge 1.0~4+まで存在し、1.0~3.0まではUSB Type-Aポートに対応。4.0以降はUSB Type-Cポートに対応し上記のPDと互換性があります。
その他の急速充電システム名
上記の他に各メーカーでそれぞれ名前が違うのですが、機器を自動で判断し適切な電力供給をするシステムがあります。メーカーと機能名はそれぞれ以下の表をご覧ください。
メーカー | 急速充電システム名 |
---|---|
cheero(チーロ) | Auto-IC |
Anker(アンカー) | PowerIQとVoltageBoost |
RAVPower | iSmart |
ELECOM | おまかせ充電 |
AUKEY | Dynamic Detect |
充電出力で選ぶ
急速充電をするには先述のようにiPhone6~8以前までは12W、iPhone8以降は18Wといった充電出力の確保が大前提です。
ちなみに、急速充電に対応するAndroidスマホは12W~、Nintendo Switchは39Wほどの出力が必要(30Wでも充電自体は可)になります。上記以外の機種も面倒がらずに、しっかりと確認してから急速充電器を導入しましょう。
充電スタイルで選ぶ
急速充電器はコンセントに直接挿すタイプと、電源ケーブルが付いたタイプの2種類に分かれます。
充電したい場所とコンセントからの距離を考え、コンセントタイプは他の穴を塞がないもの、電源ケーブル付きタイプは卓上などに置いて利用したい方におすすめです。
ポート数で選ぶ
複数の機器を同時に充電したい方はポート数も選ぶ上で大事なポイント。急速充電器一台で手持ち機器の充電をまかなえると、見た目的には少しごちゃごちゃとしますが、気分的にはスッキリとするものです。
ただし、中には複数ポートで同時に充電する場合、それぞれの出力に制限がかかり、思ったスピードで充電できないことも。選ぶ際はそこに留意して検討しましょう。
ちなみに、今回の記事のおすすめ製品では、同時充電機能の項目で制限を記載しています。良かったら参考にしてください。
GaN(窒化ガリウム)を採用しているか
最近では急速充電器内部の半導体として、GaN(窒化ガリウム)を採用しているかということも気になる部分です。
このGaNとは、従来の半導体に比べ発熱を抑え、エネルギーの効率を高めることに成功したすばらしい半導体のこと。このGaNの採用で最近の急速充電器は従来の製品よりも小型化しました。
メリットしかなさそうですが、問題は価格が少し高いことと、人気が高く製造が追いつかない製品が増えていること。コンパクトな急速充電器を求める方におすすめです。
急速充電器のおすすめ5選
ここからはコレピタが厳選した、急速充電器おすすめ製品を紹介します。ポート数が少ない順になっていますので、ぜひ参考にしてください。
Anker(アンカー) 急速充電器 PowerPort III mini
充電スタイル | コンセントタイプ |
サイズ | 約51×44×28mm |
重量 | 約63g |
入力 | 100-240V/1.2A |
USBポート数:出力 | USB-C(PD)1:5V/2.4A,9V/3A,15V/2A,20V/1.5A(30W) |
同時充電機能 | ー |
付属機器 | ー |
備考 | PowerIQ3.0対応 |
名前通りのコンパクトサイズ
名前にミニと冠するだけあって、大人なら片手ですっぽりと覆い隠せるほどのコンパクトな急速充電器。重量も約63gと非常に軽く、持ち運ぶ急速充電器を探している方は、下で紹介するPowerPort Atom III Slimと好みで選んでいいと思います。
Anker(アンカー) 急速充電器 PowerPort Atom III Slim
充電スタイル | コンセントタイプ |
サイズ | 約76×45×16mm |
重量 | 約57g |
入力 | 100-240V/1.2A |
USBポート数:出力 | USB-C1(PD):5V/2.4A,9V/3A,15V/2A,20V/1.5A(30W) |
同時充電機能 | ー |
付属機器 | ー |
備考 | GaN採用、PowerIQ3.0対応 |
薄くて軽いスタイリッシュ充電器
一円玉の直径よりも4mmも小さい、今回紹介する急速充電器の中でも圧倒的な約16mmという薄さを誇る製品。重量も約57gと、この製品を3つでも180ml缶より軽いのだから驚きです。
出力は上で紹介するPowerPort III miniと同じく30Wで、ノートPCなど高出力を求められる機器には向きませんが、各種スマホには問題のない性能。コンセントの突起部分も収納できるので、持ち運びにピッタリです。
エレコム(ELECOM) USB充電器 ACアダプター ACDC-PD0465BK
充電スタイル | コンセントタイプ |
サイズ | 約74×83×31mm |
重量 | 約261g |
入力 | 100-240V/-A |
USBポート数:出力 | USB-C(PD3.0)1:5V/3A,9V/3A,12V/3A,15V/3A,20V/3.25A(65W) |
同時充電機能 | ー |
付属機器 | ー |
備考 | USB-Cケーブル一体型 |
ケーブル内蔵の便利モデル
最大65Wの高出力に加え、USB Type-Cケーブルが内蔵されているため、別に購入する必要のない便利な急速充電器がこのACDC-PD0465BKです。
便利さはそれだけでなく、コンセント部を180°好きな位置に回転できる仕様になっていること。コンセントの上下左右、どこに他の穴があっても塞がないようラクラク調整可能です。
エレコム ACアダプター AC充電器 Type-Cケーブル付 MPA-ACCP14WF
充電スタイル | コンセントタイプ |
サイズ | 約67.5×67.5×28mm |
重量 | 約197g(付属ケーブル込) |
入力 | 100-240V/1.1A |
USBポート数:出力 | USB-C1 (PD):5V/2.4A,9V/3A,15V/2A,20V/1.5A(30W)、USB-A1:5V/2.4A(12W) |
同時充電機能 | 2ポート:USB -C:30W、USB -A:12Wの計42W |
付属機器 | USB-C to USB-Cケーブル |
備考 | おまかせ充電対応 |
ケーブル付属のかわいい系モデル
USB CとA一つずつの計2ポートを持つ、かわいい顔がプリントされた急速充電器。新しいUSB C機器を急速充電したいけれど、従来のUSB A機器も引き続き充電したい、といった方にピッタリです。
ちょっと重めですが、かわいいグッズ好きな方は持ち運び利用にもおすすめ。USB-C to USB-Cケーブルが付属するので、買い足さなくて良い点も気楽でしょう。
Anker(アンカー) 急速充電器 PowerPort Speed 5
充電スタイル | 電源ケーブル付きタイプ |
サイズ | 約102×75×28mm |
重量 | 約205g |
入力 | 100-240V/1.7A |
USBポート数:出力 | USB-A2(QC3.0):3.6-6.5V/3A,6.5-9V/2A,9-12V/1.5A、USB-A3:5V/2.4A |
同時充電機能 | 5ポート:最大63Wまで |
付属機器 | ACケーブル |
備考 | PowerIQ& VoltageBoost対応 |
複数機器を同時に充電したい人に
USB Cポートは搭載しませんが、QC3.0+ PowerIQ対応のUSB Aポートを2つ、PowerIQ対応のUSB Aポートを4つの、計5ポート搭載の急速充電器。計63Wの同時主力が可能という点も心強いポイントです。
USB Aの機器を同時に多数充電したい方必見のモデル。
まとめ
今回は全体的に、財布に優しめの製品を紹介しました。少しでも急速充電器について理解が深まったという方がいたらうれしいです。
家で利用したい方は今回紹介した全般、持ち運んですばやく充電したい方は特に最初の2つがおすすめ。ぜひ自分にピッタリと合ったモデルを見つけ出してください。
また、外出先でスマホなどを自由に充電したい方はモバイルバッテリーがおすすめです。良かったらこちらの記事も合わせてご覧ください。モバイルバッテリー自体の充電にも、今回紹介した急速充電器が役立ちます。