お米は精米後どれくらい経ったか、品種はなにか、炊飯方法の違いなどさまざまな要因でおいしさが変化する私たちの主食です。今回はその中の一つ、精米機について特集!
お米は乾物のように思われがちですが、精米後にはどんどんと酸化が進み、味や香りが落ちてしまう生鮮食品です。涼しい時期だと1ヶ月ほど、夏場や湿度が高い時期は2週間以内での消費が推奨されます。
そういった問題を解消してくれるのが精米機!精米直後のお米を食べたことがない方はぜひ試してください。いつものお米がググっとグレードアップします!
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精米機のメリットとデメリット
まずは精米機のメリットとデメリットを説明します。購入を考えている方は、買ってから後悔しないようしっかりと確認してください。
メリット
- 精米後すぐのお米を食べられる
- 自分好みの精米ができる
- 機種によって栄養がふんだんに含まれた胚芽米にできる
- 多くの機種で酸化したお米を磨いておいしさを取り戻すことができる
- 精米所に行かなくていい
精米機のメリットとして、まずは当たり前ですが、導入すれば精米直後の新鮮なお米を楽しめる点が一つ。次に自分の好みに合った精米具合を楽しめる点でしょう。
精米の細かい調整は業務用でもできないものがほとんどです。玄米などにこだわりがある方はぜひ導入してみてください。
デメリット
- 掃除が手間
- 導入にコストがかかる
- 運転音が大きい
続いては精米機のデメリットの解説です。一つ目は導入のコストがかかるということ。精米可能量やメカニズムによって精米機の価格はかなり上下しますが、高価なものは平気で数万円するものも。
次に運転音でしょう。精米はどうしても騒音とは切り離せません。中には掃除機くらいの音を出すものもあり、集合住宅の方にはおすすめできないモデルもあります。
また、毎回使用後は虫の発生を抑えるために掃除の必要があること。せっかく買っても面倒だと思い、使わなくなりそうな方は諦めた方がいいでしょう。
精米機の家庭用と業務用の違い
家庭用と業務用の精米機は簡単に言うとパワーが違います。
業務用は精米スピードや精米量が家庭用とは比較にならないほど速い上に多く、価格も性能に比例して高いです。ただし、最低でも2kg~など、量が少なすぎると精米できない制限があります。
家庭用の精米機は、多くの機種は1合から、少ないものでは0.5合から精米可能で、価格も無理のない範囲に収まるものが多くなっています。
ただし、故障防止のため精米後は10分間動かなくなる、などの安全装置が付くものもあり、多量の精米には向きません。
精米機の選び方
精米機を検討している方の中には、何を基準にして商品を選べば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。ここからは、選び方の重要なポイントをご紹介します。
精米方式の違い
精米機は精米方式によって内部の構造が変わります。ここではそれぞれについての特徴を説明。読むのが面倒な方は最後の表だけでも確認してください。
かくはん方式(対流式)
かくはん方式は容器内部に設置したヘラが回転し、お米同士を摩擦させて精米する単純な構造の精米方式です。例えるなら、フードプロセッサーやミキサーの刃をヘラにしたような構造になります。
お米の温度上昇が少なく熱による劣化は少な目ですが、衝撃でお米が欠けやすくモーターの音も大きくなりがち。価格は安いものが多いので、コスパの良い精米機を探す方はこの方式を選ぶといいでしょう。
最近ではかくはん中に変速をすることにより、温度上昇をさらに抑制し、お米の欠けも防ぐ変速かくはん方式を採用するものも。この方式はコスパもお米の状態も良いので非常にバランスが優れています。
圧力方式
圧力方式は回転する管状の構造部にお米を回転させながらギッシリと詰め込み、お米同士をこすり合わせながら、回転運動でぬかを取る精米方式です。
精米中は圧力がかかっており、お米同士がとなり合って密着するので熱が伝わり、多少風味が落ちる原因になります。
また、本体サイズが大きくお手入れの手間がかかり、精米時間もそれなりに長く価格は高めです。ただし、お米への衝撃が少ないので欠けはほとんどなく、運転音も小さい特徴があります。
圧力循環方式
圧力循環方式は圧力方式と似た仕組みですが、こちらは弱い圧力で何度もお米を循環させて精米する方式です。循環中のお米はセンサーで状態をチェックしているので均一に安定して精米されます。
圧力が弱いため熱の発生も少なく、お米の欠けもほとんど見られません。お米の状態だけを考えるなら、プロもうなずくベストな精米方式です。
しかし、圧力方式と同じように本体サイズが大きく、内部が複雑なためお手入れの手間がかかります。また、価格はこれらの中で一番高く、精米時間も長めです。とにかくおいしいごはんを食べたいという、こだわりがある方におすすめ。
3種の精米方式についてわかりやすく表にしました。
精米方式 | 米への負担 | 精米時間 | お手入れの手間 | 本体コスト |
---|---|---|---|---|
かくはん方式 | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
圧力方式 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
圧力循環方式 | ◎ | △ | △ | △ |
一度に炊くごはんの量で選ぶ
精米機は一度に炊くごはんの量を考え、精米後1~2回の炊飯で使い切れるものを選びましょう。精米後すぐのフレッシュなお米に勝るものはありません。
今回の記事では0.5合~10合まで可能な精米機を個別に紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
精米機のデザインやサイズで選ぶ
家庭用精米機は重さの面ではそれほどではありませんが、やはりそれなりに大きいので目立つ家電です。基本的にお米の保存場所すぐ横に設置すると便利なので、そういったスペースに置けるもの、デザインが馴染むものを選びましょう。
精米モードで選ぶ
精米機はメーカーごとにさまざまな独自の精米モードを搭載しています。
この精米モード、分つき※の程度を1分づき・2分づき・3分づきなど細かく指定できるもの、白米をさらに削りうまみを追求するもの、玄米を柔らかめに精米できるものなどさまざま。中には玄米から無洗米にできるものもあります。
※分つきについては下で説明するので、知りたい方は読んでみてください。
玄米の分つきによる違い
玄米の精米率のことを分つき、または分づきと言います。これは、精米後お米に残っているぬかを指標として表した数値で、ぬかをしっかり取ったお米が純白米というわけ。
ここでは多くの機種で精米可能な3分づき、5分づき、7分づきについて簡単に説明します。
また、精米で出た糠から胚芽を取り出せるアイテムもあります。こういったものを利用すると、好みの精米具合で胚芽ごはんが楽しめるメリットも。精米はしっかりしたいけれど胚芽の栄養素も捨てがたい、といった方におすすめです。
精米機おすすめ【8選】
ここからはおすすめの精米機を一度に精米できる容量順に紹介します。一人暮らしで一度にあまりご飯を炊かない方は小型がおすすめです。
エムケー精工(MK Seiko) 小型精米機 ライスロン SM-200W
精米方式 | 対流式 |
精米可能量 | 0.5~2合 |
玄米2合→白米にかかる時間 | 約3分20秒 |
サイズ | 幅135×奥行175×高さ320mm |
重量 | 2kg |
消費電力 | 200W |
小さいけれど機能バツグン
2Lペットボトルほどのサイズのコンパクトな精米機。胚芽を残しやすい精米具合も選べ、分つきは3分ほど~米とぎ(無洗米)まで細かく選べ、精米量は自動で判別してくれるので安心です。一度の精米は2合で十分といった方におすすめ。
TWINBIRD(ツインバード) 精米御膳 MR-D572W
精米方式 | かくはん方式 |
精米可能量 | 1~4合 |
玄米4合→白米にかかる時間 | 約5分 |
サイズ | 幅195×奥行265×高さ240mm |
重量 | 3kg |
消費電力 | 175W |
コンパクトでリーズナブル
あまり目立った特徴はないけれど、軽くコンパクトでリーズナブルな精米機。ボタンが大きく、直感的な簡単操作ができます。コスパの良いツインバード製。気軽に精米したい方や機械が苦手な方におすすめです。
タイガー(TIGER) 精米機 RSF-A100-R
精米方式 | 変速かくはん方式 |
精米可能量 | 1~5合 |
玄米5合→白米にかかる時間 | 約2分45秒 |
サイズ | 幅227×奥行301×高さ236mm |
重量 | 3.6kg |
消費電力 | 300W |
玄米をやわらか仕上げに
玄米を炊飯器の白米メニューで炊けるように精米できる機種。隠し包丁ならぬ「かくしカット」で玄米に細かくキズを付け、水分の吸収を促進するので早く炊けるというカラクリです。
精米時に自動で速度を調整し、お米の欠けや温度上昇を抑制。洗浄しやすく、ぬかがこぼれる心配のない容器がイチオシポイントです。玄米をよく食べる方におすすめ。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 精米機 RCI-B5-W
精米方式 | かくはん方式 |
精米可能量 | 1~5合 |
玄米5合→白米にかかる時間 | 約5分30秒 |
サイズ | 幅210×奥行308×高さ226mm |
重量 | 3.6kg |
消費電力 | 250W |
40銘柄の米の味わいを引き出す
40銘柄に合わせた精米ができるモデル。実際に40モードあるのではなく、こしひかり・あきたこまち・つや姫・ゆめぴりか・ひとめぼれ・ヒノヒカリの6モードで、それぞれの性質に似た米を各モードに割り振っています。
「ディンプルメッシュ構造」という突起がある特許出願中の精米かごを使用し、この突起のおかげで均一にぬかを落とすというアイディア構造です。分解洗浄も可能でコスパにすぐれた精米機に仕上がっています。
山本電気 Shin Bisen YE-RC17A-WH
精米方式 | かくはん方式 |
精米可能量 | 1~5合 |
玄米5合→白米にかかる時間 | 約2分30秒 |
サイズ | 幅200×奥行307×高さ235mm |
重量 | 3.7kg |
消費電力 | 250W |
精米速度に自信アリ
「分つき胚芽」モードで、3・5・7分づきでも胚芽を残しながら精米できる機種。マイコン制御で回転速度を調整し、かくはん方式ながら、できる限り米の割れや温度上昇を防いでいます。また、騒音を意識した構造で高い静音性を実現。
丸みを帯びた作りも特徴的で、キッチンに置いても違和感がないデザインです。構造も単純でパーツを簡単に取り外せてお手入れ可能。精米にそんな時間をかけてられない!といった方におすすめです。
エムケー精工(MK Seiko) 保冷精米機 クールエース+ミル PHK-30W
精米方式 | 対流式 |
精米可能量 | 1~5合 |
玄米5合→白米にかかる時間 | 約5分40秒 |
サイズ | 幅300×奥行575×高さ1,060mm |
重量 | 約27kg |
消費電力 | 精米時320W/冷却75W |
米を保冷し精米までできる
玄米の状態で保管するだけでも米の鮮度はかなり保たれますが、こちらはさらに保冷を行うので、鮮度維持に関してワンランク上の精米機と言っていいでしょう。
庫内は適温である15℃※ほどに保たれるので害虫の沸き防止効果や、冷やしすぎないよう都度停止するので省エネ効果も期待できます。米びつとしても使えるので米びつがない方や、米の鮮度維持に重きを置く方におすすめです。
※外気温によって上下します
ちなみに、こちらは30kgの玄米を収納できますが、10・20kgタイプもあります。
象印(ZOJIRUSHI) つきたて風味 BT-AG05-WA
精米方式 | 圧力循環方式 |
精米可能量 | 2~5合 |
玄米5合→白米にかかる時間 | 約10分 |
サイズ | 幅155×奥行405×高さ380mm |
重量 | 3.6kg |
消費電力 | 310W |
玄米から無洗米に精米できる
3分づきから上白米※まで、内蔵の精米度センサーでしっかり判定して精米できる機種。玄米・白米どちらからでも無洗米に精米できるコースがあり、お米をとげない状況や面倒といった方にもおすすめです。
酸化した白米を新鮮な状態に精米する「白米フレッシュ」コースや栄養満点の胚芽を残すコースも搭載。掃除機でおなじみのサイクロン方式で精米中のぬかをしっかり分離します。
機能が充実しているので、一回の精米が2合~5合で問題ない方全般におすすめです。
※上白米
白米をさらに削りおいしさを追求したもの
象印(ZOJIRUSHI) つきたて風味 BR-WA10-WA
精米方式 | 圧力方式 |
精米可能量 | 1~10合 |
玄米10合→白米にかかる時間 | 約10分 |
サイズ | 幅210×奥行435×高さ400mm |
重量 | 11kg |
消費電力 | 285W |
酸化した米をリフレッシュ
3分づきから上白米まで15段階で精米できる大容量精米機。ビタミンの豊富な「胚芽」を残すコース、酸化した白米を軽く削りおいしさを取り戻す「白米フレッシュ」コースを搭載しています。
お手入れ用のブラシが付属し、本体内部まで細かく分解・水洗いできるので清潔性も◎。沢山ごはんを食べる方、家族が多い方におすすめです。
精米機を使う上での注意点
精米機を使う上でぜひ守って欲しいことをまとめました。既に精米機を持っている方も、これらの注意点をぜひ参考にしてください。
本体に米ぬかや玄米は放置しない
精米機内部に米ぬかや玄米を放置すると虫が沸く原因になります。できれば使用後は毎回お手入れをすることが望ましいです。少なくても週に1度はしましょう。また、玄米は使う分だけ補充をすれば虫の予防になります。
黒い米は精米しないで!
黒い米は別名紫米や紫黒米と言われ、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含みます。これを精米してしまうと、白米にない重要な栄養素自体を削ってしまうことに…。できれば玄米のまま使用しましょう。
まとめ
今回は少ないものでは0.5合から、多いものは10合まで精米可能な精米機をそれぞれご紹介しました。精米の方式や精米モードにメーカーごとのこだわりがあり、玄米を上部の米びつに貯留できるものはかなり珍しい機能です。
ぜひ精米したてのおいしいごはんを味わってみてくださいね。
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