家に居ながらできたてホッカホカのパンが食べられるホームベーカリー。タイマーをセットすれば寝起きにおいしいパンがお出迎えしてくれます。
今回はそんなホームベーカリー選びに役立つよう、パナソニック・SD-MDX102、シロカ・SHB-712、エムケー精工・HBK-152P、象印・BB-ST10、タイガー・KBD-X100と、全5メーカーの最新機種について徹底的に比較。どういった機能で選べば満足いくものを手に入れられるかリサーチしました。
今回比較するホームベーカリーをすぐに見たい方はこちら
ホームベーカリーを選ぶポイント
ホームベーカリーを選ぶ上で重要なポイントはズバリ3つ。本体サイズ、焼けるパンの大きさ、機能(焼けるパンの種類)です。まずは5機種の本体サイズと焼けるパンの大きさからチェックしましょう。
本体サイズと焼けるパンの大きさで選ぶ
ここではホームベーカリーの本体サイズと焼けるパンの大きさを一目で分かりやすいように表にしました。きちんと設置できるスペースはあるか、必要な分量は焼けるかをチェックしましょう。
ちなみに、ノーマルな食パンを焼ける時間は、どれも4時間前後で大差ありません。
メーカー&機種 | 本体サイズ | 焼けるパンの大きさ |
---|---|---|
パナソニック SD-MDX102 | 幅26.3×奥行35.6×高さ35.3cm | 1斤・ハーフ |
シロカ SHB-712 | 幅26×奥行36×高さ31cm | 1・1.5・2斤 |
エムケー精工 HBK-152P | 幅25×奥行40×高さ30cm | 1・1.5斤 |
象印 BB-ST10 | 幅22.5×奥行31.5×高さ34.5cm | 1斤・ハーフ |
タイガー KBD-X100 | 幅23.2×奥行31.6×高さ33.9cm | 1斤 |
いかがでしょうか。本体サイズは大きいパンを焼けるほど基本的に大きくなりますが、シロカのSHB-712は他の機種に比べ非常にコンパクトに収まっています。
欲しい機能で選ぶ
ひとくちにパンを焼くと言っても、機種ごとに細かい部分で違いがあるものです。重要なのは欲しい機能が付いたホームベーカリーを選ぶということ。
ここでは上記5機種中複数機種が搭載している機能について紹介するので、ぜひ欲しい機能を持ったホームベーカリー選びの参考にしてください。ちなみに、コーナーの最後では分かりやすくまとめた表を掲載しています。
イースト自動投入機能
イースト自動投入機能は、パン作りの最適なタイミングでイーストを自動投入する機能です。手間も省け、ふっくら弾力があってきめ細やかなパン作りの手助けになります。
カスタマイズ性
カスタマイズ性とはオリジナリティのあるパンを作れるように、こね、発酵、焼きの3手順を低速・中速、低温・高温など3~4段階で自分の好みで色々と設定できる中~上級者向けの機能です。
早焼きパン機能
早焼きパンはごはんの早炊きのように、通常の食パンを早焼きできる機能です。こちらの機能はホームベーカリーごとに、焼き上げまで1時間50分~2時間40分とかなりの差が見られました。
なお、パナソニックのSD-MDX102が搭載する60分コースは少し特殊なので、後ほど機種紹介のコーナーで触れています。
米粉パン焼き機能
名前の通り、小麦アレルギーの方にうれしい米粉パンをホームベーカリーで作れる機能が米粉パン焼き機能。
今回比較している5機種全てで作れますが、各メーカーの指定する米粉・米粉ミックスが必要になります。また、象印のみグルテンフリー※は扱っていないので注意が必要です。
ちなみに、米粉パンは糖質が低かったりカロリーが低かったりはしません。
※グルテンフリーとは
小麦など穀物類に含まれるたんぱく質を含まない食品のこと
もち・麺類・ピザ生地・ヨーグルトは作れるか
ホームベーカリーで、もち・麺類・ピザ生地・ヨーグルトをそれぞれ作れるか、といったことも人によっては気になる部分だと思います。自分が作りたいと思う機能があるものを選ぶべきでしょう。
ちなみに、シロカのSHB-712はこの4つを網羅しています!
糖質制限中の方もニッコリの大豆粉食パンを作れるか
大豆粉食パンとはおからやきな粉とは違う、大豆粉を使った低糖質なパンです。グルテンパウダーを使うことでふっくら焼き上げ、おいしい大豆粉食パンで低糖質生活を応援してくれます。
各機能のまとめ表はこちら
メーカー&機種 | イースト自動投入 | カスタマイズ性 | 早焼きパン | 米粉パン | もち | 麺類 | ピザ生地 | ヨーグルト | 大豆粉パン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パナソニック SD-MDX102 | ◎ | ◎ | 1時間55分(60分コースあり) | ◎ | ◎(2・3合) | ◎(うどん・パスタ) | ◎ | ー | ー |
シロカ SHB-712 | ー | ー | 2時間38分 | ◎ | ◎(2・3・4合) | ◎(うどん・パスタ・そば) | ◎ | ◎ | ー |
エムケー精工 HBK-152P | ー | ◎ | 2時間40分 | ◎ | ー | ◎(うどん・パスタ) | ◎ | ◎ | ◎ |
象印 BB-ST10 | ◎ | ◎ | 2時間20分 | 〇(グルテンありのみ) | ◎(2・3合) | ◎(うどん・パスタ・そば) | ー | ー | ー |
タイガー KBD-X100 | ◎ | ー | 1時間50分 | ◎ | ◎(2・3合) | ◎(うどん・パスタ) | ◎ | ー | ◎ |
5機種全てに搭載されているおすすめの機能
今回比較しているホームベーカリー5機種で作れる、おすすめのメニューをあわせて紹介します。
ジャム作り
パンの永遠の友だちと言えるジャム。そんなフレッシュでおいしいジャムをホームベーカリーで作れるのがこの機能です。
市販のものとは味が全然変わるので、パンだけでなくジャムも併せて作るとさらに食事が楽しくなるかも!?自分好みのジャムを開拓してみては。
天然酵母パン
天然酵母パンとはイーストのかわりに天然酵母※を使用したパンです。天然酵母だからこそでる旨みや甘みを感じられ日持ちもするのですが、生種を作るだけで24時間、その後の焼き上げも食パンと同じかそれ以上かかります。
ちなみに、ドライタイプの天然酵母を使えば多少味が落ちてしまいますが、イーストと同じ時間で天然酵母パンを作ることも可能です。パン作りに慣れた方はぜひ試してください。
※天然酵母とは
パンに適した1種類の酵母を工場で人工的に培養したものがイーストですが、それに対し複数の酵母を自然に発酵させたものが天然酵母です。
5メーカーのホームベーカリー5機種をそれぞれの限定機能と共に紹介
ここからは各ホームベーカリーイチオシのオンリー機能と、実際の商品写真を合わせて紹介します。先ほど挙げた各種機能と合わせてチェックしてみてください。
メーカー公式のパンミックスがあるものは、各機種に下にあわせてリンクを貼っておきました。最初はそちらでパン作りの感触をつかむこともおすすめです。
パナソニック(Panasonic) ホームベーカリー SD-MDX102
サイズ | 幅263×奥行356×高さ353mm |
重量 | 6.2kg |
消費電力 | 430W |
2種類の上質な食パンメニュー搭載
60分でパンが焼けるコース搭載
たった60分でパンが焼ける脅威の「60分パン」コースを搭載。1時間55分で焼ける早焼きコースを55分間も短縮しますが、ダマがなくなるまでドライイーストをぬるま湯でとく必要があります。短時間でどうしてもパンが欲しい時に!
パン・ド・ミが作れる
パン・ド・ミとはパンの皮ではなく、中身を上質に仕上げることを目的としたパンです。イーストを減らし発酵時間を増やすことで、皮はパリッと薄く、中はきめ細かく芳醇な味わいに仕上げます。
高級「生」食パン専門店「乃が美」が監修した「生」食パンが作れる
「乃が美」が監修する「生」食パン「おうち乃が美」が作れるコース。三温糖や沖縄の塩「ぬちまーす」など細かく材料が指定されたメニューになります。材料集めは手間ですが、一度は作りたいメニューでしょう。
「達人ねり」機能搭載で41種のオートメニュー対応
ねりの速度を自在に変える「達人ねり」を搭載することによって、今回紹介する5機種中最多の、41種のオートメニューに対応(生地メニューも含める)。生チョコやソイスコーンなど、珍しいものも作れます。
パナソニックはこちらのSD-MDX102を少し大きくしたようなSD-BMT2000も販売してます。「おうち乃が美」は作れませんが、上記の「達人ねり」、「パン・ド・ミ」機能はそのままに、2斤まで焼き上げ可能です。
また、さすがに焼き上げるパンが大きいせいか、「60分パン」ではなく80分で焼き上げる「80分パン」コースになっています。2斤の「パン・ド・ミ」を作りたい方はいかがでしょう。
シロカ(siroca) ホームベーカリー SHB-712
サイズ | 幅260×奥行360×高さ310mm |
重量 | 4.15kg |
消費電力 | 500W |
乳製品に強いホームベーカリー
生キャラメル・フレッシュチーズが作れる
某牧場で一躍有名になった生キャラメルと、あっさりでおいしいフレッシュチーズメニューを搭載。クラッカーにのせて食べても、トマトと合わせてモッツアレラのように食べてもおいしい、チーズ好きにはたまらないメニューです。
SHB-712とSHB-722の違いって?
シロカの公式HPではSHB-712とSHB-722が同列に扱われ、説明書も同じものなので全く違いがわかりませんでした。そこでメーカーさんの方へ実際に問い合わせをしてみたところ、数時間で返信が到着!
それによると、型番の違いだけでデザイン・仕様・使用方法・大きさは全て同様の製品とのことです。迷ったら安い方を選びましょう!シロカさんありがとうございました。
エムケー精工(MK Seiko) ホームベーカリー ふっくらパン屋さん HBK-152P
サイズ | 幅250×奥行400×高さ300mm |
重量 | 6kg |
消費電力 | 450W |
塩麴パンやシュトーレンも
シュトーレン&マルコメとコラボした塩麴パン&大豆粉パンが焼ける
ドイツ生まれのドライフルーツなどが入った素朴なパン「シュトーレン」とマルコメの生塩麴を使った「塩麴パン」が焼けるメニュー。塩麴パンはビタミンBが豊富に含まれます。
2パターンの焼き芋が作れる
他機種も一つは焼き芋コースを持ったものはありますが、こちらはホクホクとおいしい焼き上がりの「ホックリ焼き芋」と、甘い蜜たっぷりねっとりの「蜜甘焼き芋」の計2コースを搭載。食べる人の好み、気分に合わせて作れます。
象印(ZOJIRUSHI) ホームベーカリー パンくらぶ BB-ST10
サイズ | 幅225×奥行315×高さ345mm |
重量 | 7.5kg |
消費電力 | 450W |
具入りパン作りが得意
神戸の食パン専門店「地蔵家」監修の「プレミアムリッチ」コース搭載
「プレミアムリッチ」とは通常のパンと違い、強力粉が少な目で生クリームや焼き塩など細かく指定された材料で作る「地蔵家」監修の食パンメニューです。中はふわふわ、ミミも柔らかく、口の中で溶けるリッチな味わいが特徴になります。
具の自動投入機能がある
イーストの自動投入機能は他機種にもありますが、ベーコンやレーズンなどの具を自動投入できるのはこの機種だけ。イーストと隣り合わせの構造になっているので、洗いやすく清潔に保てます。具入りパンを手軽に作りたい方におすすめの機能。
タイガー(TIGER) ホームベーカリー GRAND X やきたて KBD-X100
サイズ | 幅232×奥行316×高さ339mm |
重量 | 5.9kg |
消費電力 | 700W |
3つのセンサーで安定して焼き上げる
「温感仕込み」など多数の機能で温度管理がしっかり
「温感仕込み」とは庫内温度センサー、生地温度センサー、室温センサーと3つの温度センサーを駆使した機能。各センサーとパン生地冷却ファンによってしっかりと温度調整されるので、全てのメニューが安定した仕上がりになります。
さらに、生地のこね過程では独自のミキシングプログラムで生地の温度上昇を抑えることに注力。低速時でも力強くしっかりと回る「DCモーター」を採用し、きめ細かい生地作りの助けになっています。
まとめ
今回リサーチした5機種のホームベーカリーでは、パナソニックのSD-MDX102が乳製品には弱いながら、60分でパンを焼き上げる機能、性格の異なった上質なパンを2種類焼けるメニュー搭載と、一つ抜けた性能を感じさせました。
しかし、今回紹介したホームベーカリーそれぞれに独自の特徴があり、どれも違った魅力を持っています。今回の記事をぜひ自分に合ったホームベーカリー探しに役立ててください。