火の通りにくい角煮や煮物など、短時間で調理することができる圧力鍋。その圧力鍋を電力で動かせるようにした家電が電気圧力鍋です。
電気圧力鍋という名前の他に自動調理器と呼ばれ、材料を下準備さえすればカレーなど多くのレシピを手軽に作れるモデルが多数揃っています。
今回の記事では、そんな電気圧力鍋ができることや選び方、一人暮らしに向いたコンパクトなものから3~4人分の調理ができる中容量タイプまでのおすすめ製品を紹介!電気圧力鍋について知りたい人や導入を考えている人、どちらもぜひ最後まで読んでみてください。
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電気圧力鍋はどんなことができるの?
電気圧力鍋は基本的に自動調理機能を持つので、材料を投入後、簡単なスイッチ操作でカレーなどさまざまな料理を作ることができます。共働きなど時間をとれない人は、どちらか片方のスキマ時間に調理するといった使い方も。
製品によっては無水調理(だしや水を使わない調理)、炒め、蒸し、低温調理ができるものもあります。また、ほとんどのモデルで炊飯機能を持つことも特徴でしょう。
火力や加熱時間などを視覚的に操作可能なマニュアル調理に加え、オートメニューではそれさえも不要になるお手軽さが魅力。ただし、下準備として具材を切ったり、レシピによってはあらかじめ炒めたりといったことが必要です。
せっかく買った電気圧力鍋。数回使って放置というような後悔をしないためにも、以下で電気圧力鍋の導入に向く人・向かない人を説明します。
電気圧力鍋の導入に向く人・向かない人
まず、楽に料理がしたいだけという人は導入に向きません。なぜかと言うと、レシピの確認・材料の下ごしらえ・使用後のお手入れと、電気圧力鍋は案外手間がかかるものだからです。
慣れない使い初めから、すんなりと手順をこなせる人は一握りと言った所でしょう。楽をしたくても、慣れるまでにイヤになってしまう人が多く、私の周りでも挫折経験を幾度となく聞いてきました。
逆に、電気圧力鍋の導入をおすすめする人として第一に挙げられるのが、時間を有効に使いたい人です。
例えば、おいしいご飯を作りたいけれど、帰宅後に料理する時間が取れないといった場合。前もって下ごしらえをして予約調理※することで、帰宅時に1メニューが完成しているという使い方ができます。
次に、料理好きな人です。電気圧力鍋にさまざまなレシピが搭載されていると言っても、それぞれの家庭の好みといったものがあり、口に合わない場合、どう味付けをアレンジすればおいしくなるか考えられる人が向いていると言えます。
また、料理が苦手な人でも、とりあえずレシピ通り作れば、最低限の味は保障されるということが重要です。徐々にオートメニューからマニュアルメニューに挑戦することで、料理の腕の向上に役立ちます。
ちなみに、電気圧力鍋は小さい製品でも炊飯器以上のサイズが多く、かなりスペースが必要。向かない人とは少しベクトルが違いますが、そもそも設置スペースが取れない人は気を付けましょう。
自分が電気圧力鍋に向いていると思えた人は、以下で選び方を説明するので、ぜひチェックしてください。
※生ものなどを使うメニューは腐敗しやすいため予約調理できません。
電気圧力鍋の選び方
ここからは電気圧力鍋の選び方として、チェックすべきポイントを説明します。買ってから後悔しないよう、これらのことをしっかりと見極めて選びましょう。
サイズ・容量をチェック
まずはサイズと容量をチェックしましょう。炊飯機能を持つことの多い電気圧力鍋は、炊飯器サイズから一回り以上大きいものまでさまざま。きまった場所に置く場合も、使う時だけ取り出す場合でも、置けるスペースを確認した上で導入しましょう。
一般的に容量は圧力鍋・電気圧力鍋ともに、人数+1Lが適正と言われていますが、結局のところ料理スタイルによって適正となる量は変わってきます。
多くのメーカーでは、電気圧力鍋の入門レシピとしても有名な「カレー」を作れる量によって適正人数を設定していることが多いようです。
フタもチェックしよう
電気圧力鍋のフタは、回転しスライドすることで開くスライド式と、スイッチを押すとカパッと開くプッシュ式の二つ。スライド式はフタがしっかり外れ、プッシュ式はほとんどがフタ自体外れない仕様です。
スライド式はお手入れ時の取り回しの良さ、プッシュ式は開放時の手間の少なさにメリットがあります。これらの好みと設置場所での取り回しを考え選びましょう。
ご飯以外を予約調理できるか
スキマ時間に下準備を済ませ、決まった時間に調理が完了する予約調理。この機能が欲しい方は前もってしっかりとチェックしましょう。
魚介類など、常温で長時間放置すると腐敗につながるメニューの予約ができないことは基本ですが、実は、電気圧力鍋の中には炊飯系のメニューしか予約調理に対応していないこともあります。
低温調理に対応しているか
低温調理とは、主に40~60℃ほどでじっくりと加熱する調理方法のこと。肉は65℃を超えると硬くなる性質があり、低温調理を使えばこれを抑え、柔らかく仕上げることができるというワケです。
他にも調理の難しいコンフィやしんじょ作りに使えるなど、使い方によっては幅広く活躍します。料理好きな方は忘れずにチェックしましょう。
電気圧力鍋のおすすめ【6選】
ここからは容量がコンパクトな順に、おすすめの電気圧力鍋を紹介します。
このコーナーでヘルシオのホットクックも電気圧力鍋として紹介していますが、実際は圧力鍋機能のない自動調理鍋です。ただし、できることも似ており、家電量販店やネットショッピングでも電気圧力鍋と同じジャンルで扱われることがほとんどなので織り交ぜて紹介しています。
シャープ(SHARP) ヘルシオ ホットクック KN-HW10E
調理可能容量 | 1L |
サイズ | 幅220×奥行305×高さ240mm |
消費電力 | 350W |
温度設定 | 35~90℃ |
圧力 | なし |
メニュー数 | 80 |
フタの形状 | プッシュ式 |
備考 | 予約最大15時間、無水調理可 |
一人暮らしで家庭の味を求める人に
幅が小さく高い、ツボのようなスタイルの製品。コンパクトながら無水調理にも対応する上、35~90℃と温度調整幅が広いため低温調理器としても使えます。
圧力機能は持ちませんが、替わりに「まぜ技ユニット」という鍋内を自動でかくはんできるシステムを備え、コゲを防止する上にムラのない調理を可能に。さらに、湿度と温度を感知するダブルセンサーが上手な調理をアシストします。
おふくろの味と言われるような素朴な料理作り、機械に頼らないと難しい低温調理まで、幅広いニーズに応えるおすすめの製品です。
象印(ZOJIRUSHI) 電気圧力鍋 煮込み自慢 EL-MB30
調理可能容量/全容量 | 1/1.5L |
サイズ | 幅290×奥行375×高さ250mm |
消費電力 | 1200W |
温度設定 | 40~100℃(10℃単位で設定可) |
圧力 | 可変式 |
メニュー数 | 65(150レシピ掲載ブック付き) |
フタの形状 | プッシュ式 |
備考 | 予約最大12時間、無水調理可 |
おいしく仕上げる可変圧力鍋
甘酒作りもお手のもの、手動操作やオートメニューによって減圧と加圧を自動で使い分け、ほどよい食感を維持しながらうまみを閉じ込める調理がウリの電気圧力鍋。ハイパワーなので加熱時間が短く、スピーディーに調理可能です。
キッチンに違和感なく溶け込む、炊飯器と非常に似たスタイルを持つことも特徴。可変圧力は魚介の調理に強いので、そういった調理をメインに考えている方におすすめです。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 電気圧力鍋 KPC-MA2-B
調理可能容量/全容量 | 約1.4L/2.2L |
サイズ | 幅282×奥行286×高さ213mm |
消費電力 | 800W |
温度設定 | 70~100℃(5℃単位で設定可) |
圧力 | 70kPa |
メニュー数 | 65 |
フタの形状 | スライド式 |
備考 | 予約最大12時間、無水調理可 |
高コスパ界の代表選手
同サイズ帯の電気圧力鍋の中では群を抜いて安価。コスパを求めるなら一択と言っていいほど導入しやすい価格の製品です。なんと、TV番組の「マツコの知らない世界」で紹介されたこともあるのだそう。
安いから性能が劣っているというわけでもなく、無水調理にフタを開けたまま加熱し、グリル鍋として使うことも可能。容量的には一人暮らしから2人、大食いでなければ3人分ほどの料理ができます。
普通に使いたい方はもちろん、電気圧力鍋のエントリーモデルとしてもおすすすめです。
パナソニック(Panasonic) 電気圧力鍋 SR-MP300-K
調理可能容量/全容量 | 2/3L |
サイズ | 幅292×奥行278×高さ270mm |
消費電力 | 700W |
温度設定 | 70・85℃ |
圧力 | 70kPa |
メニュー数 | 7 |
フタの形状 | スライド式 |
備考 | 予約最大12時間、無水調理可 |
コンパクトで容量とのバランスがいい
4~5人分の料理を一度に作れる容量を持ちながら無駄なスペースを極力省き、かなりコンパクトにまとまった電気圧力鍋。無水調理ができ、70・85℃と2つしか温度設定はできませんが、低温での調理も可能です。
自動メニューは7種類と少な目ですが、カレーや肉じゃが、角煮といったスタンダードなものの他に、ヘルシースープや甘酒、黒豆といったあると嬉しいメニューを備えています。和食好きにおすすめ。
ティファール(T-fal) ラクラ・クッカー コンパクト電気圧力鍋 CY3501JP
調理可能容量/全容量 | 2/3L |
サイズ | 260×285×283mm |
消費電力 | 700W |
温度設定 | 保温63、低温調理58~90、煮込む90~95、蒸す・再加熱114、炒める120~150℃ |
圧力 | 70kPa |
メニュー数 | 3モード |
フタの形状 | スライド式 |
備考 | 予約最大12時間、低温調理可 |
料理が得意・好きな人におすすめ
T-fal 自身が1台10役とうたう電気圧力鍋。この10役とは圧力調理、蒸す、煮る、炒め、低温調理、白米、玄米、カレー、角煮、肉じゃがのことを表すようです。正直この部分は少し誇大広告ではないかと思いますが、その性能にウソはありません。
ポットに丸みをもたせ球状にすることで内部の対流を促し、炊飯や圧力調理をより効率よく行い、モード別に細かく温度調整が可能となっています。また、容量が多い割にコンパクトなフォルムも◎。
先述の通り、自動調理は3種類のみなので、自分でレシピを考えられる料理が得意な人や料理好きな人におすすめです。細かい温度設定が料理の幅も広げてくれるでしょう。
シャープ ヘルシオ ホットクック 2.4L KN-HW24E-R
調理可能容量 | 2.4L |
サイズ | 幅395×奥行305×高さ249mm |
消費電力 | 800W |
温度設定 | 35~90℃ |
圧力 | なし |
メニュー数 | 155 |
フタの形状 | プッシュ式 |
備考 | 予約最大15時間、無水調理可 |
~6人分のカレーも作れる高機能鍋
2本に増えた「まぜ技ユニット」を搭載する、最初に紹介したホットクックの大容量モデルといった製品がこちら。冷凍シーフードミックスなどを凍ったまま使え、専用のフタを使えば内鍋ごと冷蔵庫で保存できます。
煮込みが足りないと思った時は、フタを開けたまま加熱できるので微調整も可能です。また、無水調理はもちろん、設定できる温度幅が広く低温調理器としても使えヨーグルトや自家製味噌もお手のもの。
さらに、AIを搭載し音声での案内機能も持っています。無線LANで接続すれば普段の調理傾向を分析しメニューの提案をしてくれたり、他の人が作っている人気のメニューを教えてくれたりさまざまな情報をゲット可能。
調理の手間を減らしたい人やちょっとおしゃれな料理にチャレンジしたい人、新しいモノ好きな人におすすめです。
容量1.6Lの一回り小さいサイズもあります。1~3人ほどの世帯の人はこちらを選んでもいいでしょう。
まとめ
今回は自動調理機能を持つ鍋と電気圧力鍋を紹介しました。主に煮物系の料理作りに真価を発揮し、上手に使えば生活の質を上げることも可能です。一方、合わない製品を買ってしまうと無用の長物となってしまう一面も。
使い終わった後のお手入れの手間や、電気圧力鍋にできること、できないことを見極め、良い面だけを見るのではなく、自分が使いこなせる製品選びをしましょう。